2017年TVアニメED映像10選
少女終末旅行(通常ED)
原作者のつくみずさんによるラフスケッチ風アニメーションにウットリ。どこからどこまでをつくみずさんが、どういったふうに作られたのか、いろいろお話を伺いたいですね。
冴えない彼女の育てかた♭(通常ED)
キャラの複雑な感情を表現した表情とふっくらとした唇、柔らかさと瑞々しさとが感触として伝わってきそうな色気のあるイラストが好きです。
洗濯物の乾燥が終わるのを待つ間、陽気な曲に合わせてリズムを取り、ついには踊りだす紗霧が可愛らしいですね。動きに合わせてなびく髪や服の描写が凄いです。
すぐにそれとわかる梅津さんによる本編超えED。動かすにしろ止めるにしろ、様になる画をビシっともってくるセンスは流石です。
サクラクエスト(1stED)
カラフルで清潔感のあるファッションに見合った色使いとキャラの表情仕草が素敵でした。みんなカッコいい表情ですね。
イラストの止め絵ですが、ED曲が合わさると観てて恍惚としてきて、なるほどこれが…とターニャ・デグレチャフのカリスマ性を再認識しました。歌詞と悠木碧さんの演技とイラストの眼力とが合わさってパワフルに仕上がりました。
遠足にでも行くようなノリの曲と画なのに、うっすら恐怖を感じるのは本編に引かれてるからなのか、曲や画に秘密があるのか…観終わった視聴者の隙を突いて魂を抜き取りかねない情念のこもった映像でした。
ごちゃごちゃとうるさいほどに賑やかな映像は、作品の持つ90年代的漫画的過剰さとヘルサレムズ・ロットという街の特徴の背後にアメリカの気配があって、それらが作品の魅力であると分かってる感が嬉しかったです。
ボールルームへようこそ(1stED)
ダンススタジオでまだ相手すらいない多々良くんがひとりステップを踏み続ける様子を美しい歌声のワルツに乗せて…華やかな舞台の裏の地道な努力を美しく表現しました。
前作同様、牧歌的な雰囲気がなんとも心地良いですね。深夜アニメなのに夕方アニメみたいなお家へ帰ろう系で懐かしい気分にも。
総感
毎年のことではありますが、エンディング映像は止め画など控えめなものが多くて、OPを選ぶよりずっと悩みました。選外ですが「賭ケグルイ」や「Re:CREATORS」のED映像も推したいですね。
2017年アニメ主題歌10選
ID-0 / 佐咲紗花
ID-0 OP
The Other Side of The Wall / Void_Chords feat.MARU
プリンセス・プリンシパル OP
ASH / LiSA
十二大戦 OP
BUTTERFLY EFFECTOR / TRUE
ひなろじ ~ from luck&Logic OP
RULER GAME / Fo’x Tails
時間の支配者 OP
3月のライオン 2ndOP
HERE / JUNNA
魔法使いの嫁 OP
総感
本年度は秋期の主題歌にいい曲が多くて悩みました。僕はアップテンポなロックやテクノポップスの女性ヴォーカル曲が好きなのですが、その傾向が見て取れるチョイスとなりました。OP曲ばっかりで…。
「ラプチャー」はスローなのにスピーディな体感で、刺激的なサウンドなのに心が落ち着くとなんとも奇妙な魅力のある曲で気に入ってます。
今年一番のお気に入りは「ID-0」。作品名をそのまま曲名にしたように、人生がこれで終わると思うな、その先があると信じて全力で駆け抜けろ!という本作のメッセージをそのまま綴った歌詞に勇気づけられました。メロディもハツラツとしてて元気になれる曲です。
2017年夏アニメ私感
メイドインアビス総感 地底を未知の世界に冒険を描いた作品だけど危険を冒すと書いて「冒険」と読むその本質を鋭く突いた傑作 能力はずば抜けてても慎重で臆病なレグとリスクを恐れずずんずん前へ進むリコとのバランスが凄く良くまた未熟な子どもであることが冒険を冒険たらしめてて何もかもが上手い
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月1日
かわいらしいキャラデザであるのに…というよりだからこそより胸に迫るものがありました。子どもが危険な世界に足を踏み入れる、危険を冒すという意味での「冒険」の本質がそれによってくっきり浮かび上がりました。
メイドインアビス13話(終) あまりにも理不尽な、あまりにも過酷で残酷な「呪い」を背負わされたミーティとナナチの経緯とその「呪い」を解く過程、悲しみを乗り越えて再び前に進もうという話数内の出来事一つ一つが悲しみに満ちていてずっと泣いてた #10選候補
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月1日
メイドインアビス最終話また観たけどめっちゃ泣けるダメだ リコを救うために動植物を犠牲にしたナナチの医療行為はボンドルドの子どもたちに対するそれに等しいかも知れなくて…被害に対して加害の方への意識は薄れがちというのもよく見抜いてる
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月1日
『ある生命を救うために犠牲になる生命』とだけ書くと、それがボンドルドと子どもたちを指すのか、リコと深界の動植物たちを指すのかわからなくなりますね。ナナチの作る(とても食べられたものではない)食事とリコの作った食事との違いもまた、成れ果てのまま放置された子どもたちとミーティを連想させます。
冒険をするということ、人生を全うするということ、そのために避けられない殺生、それが因果として我が身にも…と、冒険と人生・生と死・食うや食われるやといった諸々を、むせ返るような濃度で描きました。原作がある作品ではありますが、アニメ史にも残る傑作と言っていいでしょう。
プリンセス・プリンシパル総感 スチームパンク・スパイ・少女たちという要素の多さをすべて活用しきったとは言い切れないにしてもスパイものとして、または友情のドラマとして大満足の内容 ワンクール内で話数をばらばらに並べるけど実は2クール以上あるし一応オチもつけるよという変態構成に平伏
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月27日
プリンセス・プリンシパルの時系列バラバラの良さは観てるわしらとは時間軸が違うと認識できることで同じ時間上にきっと彼女たちは居ないんだよな われわれは後になって見聞きして知ったに過ぎないと その時と場所の遠さが様々な感慨をもたらしてくれる
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月3日
プリンセス・プリンシパルの話数ばらばらはこの物語が視聴者の生きる今という時間ではない「過去のお話」であり我々はスパイに身を投じた少女たちの記録を振り返ってるに過ぎないと感じさせる効果がある よって彼女達は命運はすでに決しているとも解釈できるので緊張感が半端なかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月27日
時系列バラバラ構成は当たりでしたね。この先どうなるのかとハラハラドキドキしました。
プリンセス・プリンシパルで一番好きなのはちせだな 彼女はプリンシパルの相関図で唯一誰ともつながりを持たない子で立場的にも我関せずで逃げることも容易なのに義理と人情で命を張れるという この「義理と人情」を美しいと思ったのいつ以来だろう
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月27日
ちせの「強さ」は鉄柱のように剛健で、小さな身体とのギャップに鳥肌が立ちます。超好き。
サクラクエスト総感 地方の諸問題を扱ったドラマであるけども地方対都会という単純な図式でなく地方から見た都会・都会から見た地方・地方から見た地方に都会から見た都会と様々な視点があってその中心をバランスよく駆け抜けた 娯楽として地味なのは否めないけど諸問題に対する誠実さに惹かれた
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月22日
サクラクエストは地方を扱った作品だけど地方だけを扱った作品ではなくて地方から見た地方・地方から見た都会・都会から見た都会・都会から見た地方と様々な視点が盛り込まれている 観る者がどこから来てどこに立っているかの違いで感想もまた違ってくるのだろうと
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年8月5日
エリカが後に念願の東京生活が出来て充実した日々を過ごしそこを終の棲家としたとしてもサクラクエストという作品は彼女を責めたりしないと思うんだよな 真希やしおりや凛々子その他諸々夢や目標は違っても等しく応援するように間野山の住人のそれぞれの選択は等しく価値があるはずだ
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年8月26日
間野山が嫌で嫌でっていう気持ちをずっと燻らせたまま上京する準備が整ったら上京してそこで暮らしたっていいんだよ そういう生き方を選択する可能性を否定しなかったのはほんと素晴らしいと思うよ そのうえで無理なものは無理なので今は我慢してよと サクラクエストのそういう責任感が凄く好き
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月3日
P.A.WORKSならではの地方との距離のとり方が、地方と都市部との様々な関わりを広く描くことに繋がったと思います。キャラも皆個性豊かで魅力的でした。キャラのファッションにもこだわっていて皆清潔感あってお洒落でしたね。
あと今更気づいたんだけど由乃んがピンク髪なのは彼女がサクラをイメージしてるからなんだな 地方に小さな春の訪れを告げるソメイヨシノで木春由乃とか 勇者というより座敷わらしみたいな
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月22日
神撃のバハムートVIRGIN SOUL総感 神も悪魔も恐れぬ冷徹な人間の王の暴政のなかで竜族の子ニーナがその暴君に恋をするという物語は共通の敵を倒し各々が代償を背負うことで各々の勢力が互いの罪をとりあえず不問にして復興に取り組むという締めが凄く良かった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月30日
洋画のようなスケールの画に、洋画のように奥行きがありながらスッキリとまとまった世界観やストーリーが素晴らしく、そういう世界に盛り込まれたわが国のお笑い要素もまた楽しかったです。
賭ケグルイ総感 第一印象が扇情的でウッと引いたけど人生を賭けたギャンブルにのめり込む狂気を演出する手段としてのエロスなので気を散らされることなくドラマに没頭できた いけ好かない強者をダークヒロインが倒していく蠱惑的な快感 その回の憂さをその回で晴らしてくれる親切構成も有難かった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月25日
思いっきりアクセルを踏んでるようでいて、不快にならないよう各話の構成であったり演出であったりとバランスがとても良く、視聴後感が良かったです。
サクラダリセット総感 年頃の子たちらしからぬ洗練された台詞回しは序盤こそ戸惑ったものの能力を活かして悩める人々を救いたいという子たちと能力が無いのが本来の世のあり方だからなくしたいという組織との対立を咲良田という町のようにスマートな雰囲気で覆ってそれがなんとも爽やかで心地よかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月16日
目まぐるしく変化する時間や状況のなかで溢れる言葉の数々が耳に心地いい作品でした。絵や色使い、人々の言葉遣いなど上品で清潔感があって好きです。
NEW GAME!!総感 1期はゲーム業界あるあるだったけど今期はゲーム業界の中で各々の成長を描くとドラマの要素が強くてその分業界のブラックな要素が身につまされるといった事もなく没頭できた そうなると各々の正直な気持ちの応酬が見どころとして立ち上がってきて落涙させられることも多々
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月28日
各々の忌憚のない意見や感情の発露・ぶつけ合いによるドラマが見応えがあり、キャラの魅力も増しました。
異世界食堂総感 毎度テーマの料理があってその料理と縁のあるゲストによる1話完結型 本作はゲストでなくあくまで料理がメインで料理とゲストとの縁が語られたらそこでお終いとまだドラマ自体は続いてても話を締めてしまうのがユニークでまるでねこやの常連から話を又聞きしてるような臨場感があった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月24日
本作はエピソード毎の締めるタイミングがユニークでしたね。美味しいものを食べた後の余韻と似た感覚を覚えました。
徒然チルドレン総感 金子監督の経歴と本作の内容ならもっと刺激的にもできたんだろうけど初々しい恋の物語あれこれに寄り添った節度ある演出がかえって緊張感をもたらした 実戦空手の達人の演舞のような仕事
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月20日
懐かしくも新鮮なタッチのキャラデザや色使いが好きです。
ナイツ&マジック総感 序盤から駆け足気味ではあったけど中盤以降は詰め込みすぎの急ぎすぎで感情を揺さぶるはずの出来事が次々と通り過ぎていってしまったのは惜しい ともあれ停滞した業態にイノベーションをもたらす面白みは十分に堪能できたし画も魅力的で楽しかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月27日
ナイツ&マジック6話は銀凰騎士団の最新鋭機登場シーンが凄く爽快で4~5回は巻き戻し観ちゃった エルらの取り組みを横取りしてなされたラボの新型機をカッコよくお披露目した後なのでそれを凌駕する大胆なデザインのロボ群とそれらの運用方法とその機動性・瞬発力に驚かされた
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年8月13日
2クールくらいかけてじっくり楽しみたかったですね。
THE REFLECTION総感 ざっくりとしたタッチの画と動きにスローなテンポの展開ではあったけども人々が闇に立ち向かう様子をじっくり加熱して重厚な雰囲気に仕上がった 人々の本来持っている善性と悪性を可視化・増幅したものがREFLECTEDなんだな
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月11日
アメコミ・ヒーローの「重み」がカッコよかったです。ナインスワンダーのライトなノリももう少し活かすゆとりがほしいところでした。
レクリエイターズ総感 タイトル通り本作は創作者とキャラクターとの対話でありこういう世界でこんな目にあってるキャラはどんな気持ちなんだろうという誰もが一度は考えたであろう疑問を形にした作品だった 人が神を思うそれに等しく共感も容易だろうと思ったらそうでもなかったという戸惑いも多々
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月17日
ともあれレクリエイターズはやはり画や劇伴が凄くドラマチックで明文化された物語とは違った物を語ってくるんだよな その魅力だけでも十分に価値のある作品だったいろいろ文句も言ったけど同じくらい褒める所も多い作品でした
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月17日
映像も音楽もカッコよくって、それだけで心揺さぶるのは凄いですね。
バチカン奇跡調査官総感 聖職者を主人公に奇跡の真意を調査するという形式のミステリーで奇跡を信じたくて調査するも単なる事件でした残念ってのがなんともユニーク 敬虔な教徒でありながら聖書で物理攻撃したりと狙ってやってるわけじゃないんだろうけど設定のゆるさがまた味わい深くて楽しかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月1日
画もトリックもあとひと押しあればもっと良くなると思います。
アホガール総感 タイトル通りベッタベタにアホいネタばかりなんだけど楽しげな雰囲気に惹かれて完走に至った ディオメディア作品はアニメ好き!楽しい!って気持ちが感じられて好き
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月20日
第一印象はなんだいくっだらないって感じだったのですが、継続は力なりと申しますか、くだらないことでも自信満々に続けられるとじわじわっと来ますね。演出も工夫が施されてて楽しかったです。
ゲーマーズ!総感 好き会ってる同士の男女複数の集まりが誤解から内輪での不倫を疑い互いに牽制し合うのをドタバタなコメディとしたのは序盤こそ楽しめたけど仲の良い同士ならさっさと解けないとおかしい誤解なので終盤まで引っ張り続けたのはさすがにしんどかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月29日
ストーリーの構成としてはかなり難易度の高いことをやってて、表情・仕草など動きの工夫も含めて力作だと思います。
アクションヒロイン チアフルーツ総感 ヒーローショーを題材にってのはユニークだけど学生たちの取り組みとは思えない本格的で大掛かり過ぎなショーにどこか現実味が感じられず コメディか友情ドラマかどちらかに思い切りが欲しかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月30日
ディオメディア作品らしいちょっぴりおバカなノリは好きです。
ひなろじ総感 赤城監督がコンテ・演出を手掛けた1話・7話はコミカルな演出が際立っていてずば抜けてよかった 他の回も悪くはなかったけどこれ!という押しが弱く感じた ラクロジ観てなくても理解に支障のない作りが親切で好感 OPやアイキャッチなど工夫に新鮮味もあって楽しかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月24日
全体的によく出来ていたと思います。ただ1話・7話が凄く良かった分その他の回がちょっと刺激が足りないように感じてしまいました。
ようこそ実力至上主義の教室へ総感 孤島でのサバイバル編からが本題でそれまでは導入部のようなものだから物語はまだ始まったばかりでの締めでこれでは評価が難しいんだけども続きが観たいなとは思った
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月30日
「実力至上主義」を謳っているわりにチームワークを重視するところは大目に見れるくらいには楽しめるのですが、同時期に「賭ケグルイ」という作品が放送してたのがタイミングに恵まれなかった感もあります。
戦姫絶唱シンフォギア AXZ
戦姫絶唱シンフォギアAXZ総感 ついに最後まで見せ場だけで構成しましたで駆け抜けていったけども熱に浮かされてるようでメッセージが素通りしていってしまった 毎回次回への期待をかき立てる締めが良くってホイホイ最後までついてきちゃったけど次期もまた観たくなっちゃうじゃないの
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月7日
それでも、ボルテージの高さで押し切る力は凄いですね。ネタ切れという意見も多々ありましたが、それよりも立ち回りなどのバトルアクション・見せ場にこだわり過ぎのように感じました。ストーリーに厚みが欲しいですね。
18if総感 序盤から画がヘロヘロであったけども話数ごとにカラーが変わるので次はどういう話になるんだろうという興味で最後まで見続けられた 若者だったり世相に蒙を啓く的な態度や価値観がちょっと古いのが気になった 言い方は悪いけどおっさん臭いというか
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月3日
エピソード毎に監督を変えて…という試みはユニークでしたが、制作上の都合かクオリティが低くて残念でした。7話と10話は良かったのですが…。
18if・10話は脚本・コンテ・演出・作監・原画などを森本晃司さんが手がけていてさすがに全てに手を加えるってわけには行かなかったようにみえるけどそれでもやっぱ凄い 奇妙な世界でも落ち着きがあって夢世界の主の生き方への敬意を込めたエピソードに画がしっとりと寄り添ってる
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月12日
総感
2017年夏は「メイドインアビス」「プリンセス・プリンシパル」の2強といった様相。「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」 「NEW GAME!!」などクオリティの高い力作も多数ありましたが、「Re:CREATORS」「サクラクエスト」など好き嫌いが人によってはっきり別れる作品もありました。個人的には「サクラクエスト」は大好きなのでお勧めしたいところです。
2017年春アニメ私感
有頂天家族2総感 如意ヶ嶽薬師坊の二代目と弁天のプライドが衝突する一方で次期偽右衛門選挙を前に狸界の様々な縁を描きその裏でうごめく何者かの陰謀が双方に複雑に絡まり合っていく巧妙な作話術 狸・ヒト・天狗と立場の違いの妙を我々ヒトの因果と絡めながら物語を楽しくときにしっとりと描いた— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年7月2日
有頂天家族は狸視点でから人間の業を描く側面があるんだけど人間の業を描くにあたって狸をチョイスするのが意地悪いというか牛さん豚さん鳥さんと違って日常的に口にするものでない…それを食べるというのは趣味・娯楽に似ているという— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年5月31日
自由に生きていれば世知辛さから逃げられるというわけではないことを有頂天家族は教えてくれる その上で人生を楽しみなさいよというエールを重ねてるようにも— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月15日
きちんとルールがあって、望むと望まざるとそれを踏まえないといけない狸と天狗と人間のそれぞれの在り方生き方を、さも自由で奔放であるかのように描くのが本作の魅力で、それは考え方捉え方ひとつでも世界は変わって見えるよ、楽しく生きようというエールだと受け取れました。そういった秩序と混乱・不自由と自由・愛と憎のアンビバレンツに、久米田先生のデザインしたポップかつシャープなキャラがとても良く馴染みました。
正解するカド総感 「交渉」をキーワードに始まった未知との遭遇と交流と影響の物語は政府を理想的に描くことで展開をうまく効率化して遊び心を盛り込む余裕もあって楽しかった 未知のもたらす技術にポジティブに興味を示したりメディアの描写に偏見を廃しようという試みが感じられたのも良かった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年7月1日
人間ってこうだろう・政治家ってこうだろう・マスコミってこうだろう…といったステレオタイプを踏まえておきながらでもそれはレッテルであって本質ではないよねと気づかせてくれただけでもとても意義深いことだと思う 正解するカド— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月4日
骨太なSFではあるけども恋愛要素もありで、非常にとっつきやすい仕上がりに。フィクション的に理想化された政府や政治家の物分りの良さが、展開に加速度をつけることによって得られたゆとりがあったから出来たことなのですが、そうであるがゆえに批判の的になってしまったのは悲しいです。ワンクールという短い枠で、これほど壮大な内容をライトに仕上げてみせた手際は素晴らしいと思います。
リトルウィッチアカデミア総感 カートゥーンと日本アニメのハイブリッドのような画を動きで活かすあたりはさすがTRIGGER ちょこまかとせわしなく動いていく映像が楽しく 魔法が使えない子アッコが魔法学校で奮闘する様が可笑しいのだけども着実な成長も描いて感動へと上手く昇華させた— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月26日
落ちこぼれな少女が皆に追いつこうとあれこれ試行錯誤する様子が可笑しくて、そういった可笑しさに悲壮感を覚えさせないさじ加減も良かったですし、それでも諦めず夢に向かって邁進する、純粋でひたむきな姿勢に、次第に誰も笑わなくなるどころか感動すら覚えるよう描いていて胸が熱くなりました。本作はTRIGGERとアニメーションのあり方や願いを描いているとの噂がありましたが、アッコの姿勢は初心者にこうあってほしいという道筋を示したのかもしれませんね。噂の域を出ていないのですが、それを裏付けてるような一貫性があり、夢を諦めないという姿勢と、夢のある世界への願いがストレートに伝わってきました。滑稽さから情緒からダイナミックな光景まで、魔法の世界のファンタスティックな光景をアニメーションで賑やかに表現する技術にも圧倒されました。
ID-0
ID-0のOP曲「ID-0」は今生の先があると信じて突っ走れってメッセージが激熱でひとつの人生とどう向き合うかってのはよくあるけど人生を突き抜けてさらに先へ行けって凄いよね 凄く勇気が湧いてくる #OP曲10選候補— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年5月1日
ID-0のOPで「Calling You Calling You Everywhere~」から「謳え叫べ彷徨い人」までのとこ区切りごとにシーンを替えていくそのタイミングとか画とか凄く凄くかっこよくってこういった画と曲とのマッチングがとてもとても好き— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年5月31日
ID-0のEDはハヤカワ文庫の表紙っぽい画も相まって海外SF作品っぽくて好きよ— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年5月31日
ID-0総感 諸々の事情で肉体を失い機械に精神を宿す者たちが日々の糧を得るため陽気に行動する様が熱く OP曲「ID-0」の今生で人生が終わりと思うなよ!その先があると信じて全力で駆け抜けろ!というメッセージが思い出されて胸が熱くなった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月28日
一方でクレア・リック・ファルザなど掘り下げればもっともっと面白くなったであろうキャラもいたり白眉老方面もも少し時間をかけれてたらぐっと良くなってたと思うと残念 きっちり一区切りつけてしまったので続編が難しそうなのがまた寂しい— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月28日
宇宙進出はもとより、クローンや義体への精神の転送をも可能にした遠未来を描いたSFですが、設定や経緯が簡潔でテンポよく展開していきました。義体に転送してるときに混乱に巻き込まれて肉体をロストした少女の不安を描いた上で、あらゆる事情で肉体を失った人々の在り方をポジティブに描くことで、人の意志の強さをドラマチックに表現したのが凄く気に入りました。そういった人の意志の強さを歌詞に乗せたOP曲「ID-0」も凄く好きで勇気づけられました。贅沢を言えば、2クールは欲しかったですね。もっともっとあの人のことやこの人のこと、その経緯などを語って欲しかったです。
冴えない彼女の育てかた♭総感 前期は活動をとおして各々が絆を深めていく過程をフレッシュに描いたのに対して今期は各々の想いはどこに向かってるのかと一歩踏み込んだ胸にズンと響く内容 全員描ききれたわけじゃないけど欲張らずひとりひとりに時間をしっかり割いて深度を深めたのが良かった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月24日
冴えヒロ♭はOPの話題が多いけどわしEDもすっごい好きなんだ キャラの表情や特に口元が色っぽくてドキドキする— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月17日
多分最初は恵との恋愛を軸に描こうとして「冴えない彼女の育て方」ってのは倫也の勝手な言い分だと思うんだよな 恵が知ったら「その言葉…そっくりお返ししまぁす」とか言いそうな— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年5月15日
倫也が恵に初めて会ったときに抱いた感情は「一目惚れ」だったと思うんだよな ただそん時敏腕Pモードになってたのでスカウトマンとしての感慨と勘違いしてしまっているんだろうと 恵からしたら「冴えない彼氏に捕まって」ってとこだろうな— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年5月15日
冴えヒロは友情や恋愛の方便で創作するんでなく創作の過程で友情や恋愛が不可避であったってのが良いんだよね あれもこれも出来ちゃうんだよ若い子は特に— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月8日
創作と恋愛の線引きというものを棚に上げて、とにかくサークル活動に夢中になった1期でしたが、2期は活動を続けていくうちに抑えきれなくなった想いとか、残された時間の無さや物事の転機が、関係の変化を否が応でも求めていく展開にハラハラさせられました。チャンスをものにするために大事なものを捨てなければならない、そういったストイシズムに一定の理解を示した上で、それでもあれもこれもやっちゃいなよ!と締めくくるのに刺激を受けました。若いって良いですね。
ベルセルク 2期
ベルセルク2期総感 様々な業や宿命を背負った者が集い魔物が跋扈する過酷な世界を協力して切り抜けていく様子やその中で良心を得たり愛を知ったりする様子をドラマチックに描いた 「灰よ」が水戸黄門の印籠的にパターン化してたけどきたきたって盛り上がるので全然OK 凄まじいパワーを感じる作品— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年7月10日
ガッツとキャスカの旅にファルネーゼとセルピコが加わって、地獄のような凄惨な世界のなかで平穏と安寧を求める様子が切実に思えましたし、正しいと信じていたものが間違ったと気付いた時にそれでも信仰に固執するか、それとも間違いを認めて改めていくかのその明暗もよく描けていて、センセーショナルなバイオレンス「だけ」を売りにするのでなく(そこも売りであることに異論はありません)、そういった救いのない世界でもがく清らかな精神・意志を尊重する作品であるのがすごく気に入りました。ガッツの圧倒的な立ち回りによって彼の底知れぬ怒りを演出する、そしてシールケの時折見せる年相応のか細さもしっとりと表現する、そういった映像と音の表現力が豊かでそして凄く力強い作品でした。
月がきれい総感 普通の男の子と女の子が好き合って至って普通の交際に発展していく物語なんだけどもありそうでなかなかお目にかかれない素朴な初恋の物語は現実でもありそうでなかなかお目にかかれないからこそ美しく映った 恋愛のセオリーやジンクスを打倒して理想の恋愛を描ききったのが良かった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年7月9日
「月がきれい」はシャイな高校生の初な恋愛を理想的に描く一方で最後にコンニチの高校生的な恋愛模様の様々な例を盛り込むことで批判の予防線として上手く機能してる— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月10日
普通の男の子と普通の女の子が、他愛もないことで知り合って急速に思いをつのらせていく一目惚れ感に、ほんの少し背中を押すことで関係を進展させていく展開にドキドキ。ほんのちょっとの勇気で通った想いはしかしとても心許なく、すぐにも壊れてしまいそう。「初恋は実らない」「初恋は長続きしない」「進級進学が破局のきっかけに」「遠距離恋愛は上手く行かない」そういった恋愛のセオリーやジンクスは当然視聴者も重々承知なわけで、そういった不安が何度も何度も脳裏をよぎり、恋敵の出現や不和などが生じては頑張れ、乗りこえろ、と手に汗を握りました。それは僕がロクな恋愛をしてこなかったからこそ、せめて物語の中では清らかな恋愛が見たいという思いがあってのものなのかもしれませんが、それはともかく(涙を拭いつつ)、そういった不安を全て払拭してみせたのが嬉しかったです。ほんの少し、自分の内にこもる怨念が浄化された気がします。
アリスと蔵六総感 異能バトルテイストの1章とホームドラマ風の2章で構成されててこれは原作漫画の事情に寄るものらしいけどもそれは置いといて それだけでは物足りない1章が2章の物語の中であってよかったものとして立ち上がってくる構成が凄く良かった 人はいつでもやり直せるという熱い想い— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月28日
人々や社会の安全を脅かす能力をもった紗名を分別のついていない子どもに見立てて、カミナリ親父がその子を保護していくことから始まる物語。1章にあたる導入部はそういった子と保護者の関係への興味にバトルアクションが乗っかっているのが正直邪魔に思えたのですが、紗名の逃走劇が落ち着き安住の地を得て2章が始まると、 子と保護者の関係にぐぐっとフォーカスしていって、見どころが定まったのが良かったですね。また、2章の物語を進めていく上で、1章はやはり欠かすことの出来ないエピソードだったんだと思える展開に仕上げるのも上手いと思いました。紗名の教育がカミナリ親父・蔵六ひとりによるものでなく、皆が関わり合ってなされるのも凄く良かったし、紗名自身が誰かの成長を促す存在にもなり得たのもまた良かったです。
エロマンガ先生総感 義理の兄妹というきわどい関係からきわどいHネタで攻めつつも全くKENZENと言えなくもなくコントロールは悪くなかったと思う 義兄妹の関係がべったり甘くてこそばゆくヒィィーッとなったりあんまりな下ネタにドン引きすることもあったけどとにかく賑やかで楽しめた— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月25日
「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の伏見つかささんの原作小説らしい、俺妹の改修型といいますか、似た要素をふんだんに盛り込んだ作品。俺妹よりもH度は上がってるんですが、血のつながりはないからどんどん行くよ!という思い切りの良さや、ここまではいけるでしょ!という絶妙なコントロールがことごとく決まり、また倫理に背くような後ろめたさもないので、とても明るく楽しい雰囲気に仕上がりました。はずかしくてこそばゆくなることも多々ありましたが、視聴後感がとても心地良い作品でした。
GRANBLUE FANTASY The Animation
GRANBLUE FANTASY The Animation総感 人物や世界や導入から展開までRPGのアニメ化作品とはっきりわかる明快な作品であっここは端折ったなって感じる箇所も多々あったけどポイントはしっかり抑えていて内容が充実していた 映像の質も保たれて贅沢な作品に仕上がった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月30日
Extra1でRPGにおける初期設定で起こる最初の分岐…男性キャラか女性キャラかというところに目をつけてグラン(男)で本編を締めたのだからおまけエピソードはジータ(女)で!てのサプライズ感があってよかったしいわゆる水着回でもあったけどこちらも意義が感じられてよかった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月30日
RPG原作のファンタジーをわかりやすく描くことで、冒険のまだほんの入り口ではあっても十分満足感が得られる密度のあるドラマに仕上がりました。 そういった「冒険が始まる物語」に、「靄に包まれた世界とそこを駆けていく人物たち」というOP映像を持ってくるセンスが凄いですし、そういった雰囲気を持った曲を作るセンスも素晴らしいですね。
進撃の巨人season2
進撃の巨人season2総感 原作通りだとまだ全然核心に触れてないところでの一区切りだけど原作ではあとになってわかることを先に持ってくることで個別のエピソードとして起伏を持たせる構成が抜群に良くって楽しく 画的にも力の入れどころ抜きどころペース配分が上手くて安定してて良かった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月22日
今期だと進撃の巨人のOPが凄く熱くて 「~俺たちを見つめていた」のとこで逆光の出口へ向かうところを撮るクレーンの上昇具合とかサビ一発目の「捧げよ捧げよ」で巨人の群れに向かって一斉に駆け下りる兵団の様子を思いっきり引きで撮るとことか曲のダイナミックさをこれでもかと引き出してくる— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月29日
原作が面白いのでそのへんは安心していられますね。前期では途中で作画に疲労が感じられましたが、今期はペース杯分が上手く行ったようで終始安定して目にも楽しかったです。アニメ放送のペースを考慮した構成も良かったです。
クロックワーク・プラネット総感 序盤から画の質が良くなくてほんと残念…世界観からキャラデザに性格付けに関係性とどれも良くって美少女オートマタにデレデレな男の子との物語とは別にマリーとハルターの引き締まったバディアクションともう一つの物語があって二度おいしい作品— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月25日
クロックワーク・プラネットOP冒頭のマリーとハルターが凄くカッコよくて影のつき方と舞う花びらとのコントラストが鮮烈— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年5月14日
キャラデザが僕好みなのもあってかなり贔屓目ですが、ひとつの物語がふたつ以上の物語で紡がれていて、美少女モノのラブコメが苦手な方でもバディアクションが好きなら楽しめるんじゃないでしょうか。どっちも大好物な僕が夢中になるわけです。こういう素晴らしい作品には予算も時間もいっぱい注がないとダメですよ!
ゼロから始める魔法の書総感 画作りが派手なわけではないけども大きく崩れることもなく 一貫性こそ無いけどこういうの好き!という演出がそこここに見られてスタッフの次の仕事にも興味が キャラの性格と言動がしっかり描き分けられてて定番の物語に個性がにじみ出た— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月27日
それぞれのキャラの性格と立場の違いから来る思考と言動の描き分けが凄く良くって、剣と魔法の冒険ファンタジーの王道をゆく物語であっても、そういった言動や振る舞いはお約束に任せずきちんと個性に合わせて練られているので、どっしりと地に足の着いた丁寧な物語に仕上がっていました。台詞の掛け合いのテンポも心地よかったですね。
ロクでなし魔術講師と禁忌教典総感 教師を主人公とした異世界学園魔法バトルモノの典型のような作品で主人公グレンが三枚目キャラで親近感を覚えたのと生徒たちが皆いい子たちで視聴感が心地よかった 学園モノらしい生徒たちのわいわいとした存在感の演出も良かった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月22日
ラノベってこうなんでしょというテンプレ批判は十分承知の上で、あえてそれに乗っていく勇気は評価したいですね。実際そうした批判をすんでのところでかわしたり、良いから良いんだ!どんどん模倣れ!と言わんばかりにあえて正面から突破していく若々しい元気いっぱいな作品。教師と特定の生徒だけでなく、すべての生徒たちの存在感を演出してより学園モノらしい雰囲気を作ったのも良かったですね。
カブキブ!総感 話数単位の区切り方など構成は上手いとはいい難いしアニメーションとしての表現の幅も質も豊かとはいえないけどストーリーやキャラが魅力的で楽しかった 高校生が敷居の高い伝統芸能に挑戦するという無茶に意義と説得力を持たせるアイディアが光った— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年6月25日
歌舞伎のような敷居の高い伝統芸に、一般のそれも子どもたちがどう関わっていくのかという問題に、こういう方法があったんだな、と説得力ある設定を構築できたのが見事でしたね。伝統芸能を取り扱う気配りも好感で、男女の人数や割合のバランスが良く、また皆いい子たちで、衝突さえも清々しく映りました。
アトム・ザ・ビギニング
アトム・ザ・ビギニング総感 気鋭のアーティストたちの華やかな仕事が目を引いたけども早々に疲労でダレてしまったのは惜しい わかりやすくとっつきやすい子どもたちにターゲットを絞ったようなストーリーだけどもロボットへの愛着とロボットに芽生えた意志から愛と生を問う深みもあり見応えがあった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年7月9日
鉄腕アトムの前日譚ということですが、肝心の鉄腕アトムを実はちゃんと見たことがないのでどういう話なのかわからず、ともかく将来なんだかんだ対立するだろうと思われるお茶の水博士と天馬博士の若い頃の様子だと思うと勝手ながら感慨深く思いました。お茶の水くんは典型的ないい子キャラで、正直面白みにかけるのですが、不遜でも憎めないところのある午太郎くんや、敵か味方か茂斗子さんや、無口でも正義感や思いやりがあって可愛らしい蘭のアシストなどで、賑やかで楽しい作品に仕上がりました。基本はキッズ向けのような明快で親しみやすい内容ですが、手塚治虫作品の息吹を感じさせる深みも時折見せて、見応えもありました。
終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?
終末なにしてますか?忙しいですか?救ってもらっていいですか?総感 短い生涯と宿命に思いを寄せようとコンセプトはわかるけど戦って命を落とすことが日常な世界であるのと他種族が共存する世界で人型の種族とそうでない種族との扱いの違いなどが災いして妖精たちの不幸・不遇が霞んでしまった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年7月1日
終末何してますか?~OP曲「DEAREST DROP」の「もしもと言いかけて 声は風の中小さくなっていく」はやばい 風が凪いだように曲調が穏やかになったところでこのフレーズをもってくるセンス クトリの心情そのものでこれぞアニメソング #主題歌10選候補— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年7月6日
クトリの悲しみのみに集中するには、あまりにも厳しい世界観でした。皆がいつ命を失うかわからない世界より、生きてることが当たり前な平和な世界のほうが、彼女の不幸がより伝わりやすかったと思います。本人たちには迷惑な話かもしれませんけど。
総感
2017年の春アニメ(3~6月期)は「有頂天家族2」「進撃の巨人season2」「冴えない彼女の育てかた♭」 「リトルウィッチアカデミア 」「ベルセルク」など継続枠・2期作が好調で、ある種シリーズ作品と言えなくもない「エロマンガ先生」も含めて認知度の高い作品が確実に支持を得ていった堅実な印象を受けたシーズンとなりました。個人的には「正解するカド」「ID-0」「月がきれい」も推したいところ。また話題性には欠けましたが「クロックワーク・プラネット」「ゼロから始める魔法の書」「カブキブ!」などストーリーやアイディアの光った作品もあり、個人的には充実したシーズンでもありました。
2017年冬アニメ私感
けものフレンズ1話 サーバル役の声優さんの演技のたどたどしさとスローなテンポがちと気になるけどもかばんちゃんの「ここはどこだろう」とけものたちの「この子何者なんだろう」を視聴者にも謎として共有させようというストーリー構成が凄く良くって続きが見たい!てなった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月15日
けものフレンズ2話 「ボス」や世界の謎の隠し方が良くってここに謎が隠されてるよってのを視覚だけで伝えるのみってのがなんだろうなんだろうってワクワクするね イベントの進め方もゲームっぽくてどうなるのかワクワクする なにかとんでもなくすごい作品になりそう— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月23日
2話目の時点ではまだ全然騒がれてなくて、だからなのか上記のツイートはたつき監督からfavを頂きました(嬉
アニメ『けものフレンズ』は人類史600万年を探求する - 本しゃぶり https://t.co/qKpqowfHPl 冗談のようにも聞こえるけど実際見てみるとそれくらい深く背景を掘り下げてるような底知れぬおそれを覚える— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月22日
2話終了時点でファンの間で考察熱がじわりと高まり、「けものフレンズ考察班」を称するファンの議論がどんどん熱を帯びて、4話目あたりで一気に人気に火が点いたように記憶してます。
けものフレンズ総感 キャラモノの暖かさと動物モノのお楽しみの背景にヒトの文明の衰退を忍ばせてあえて言わなくても思い当たるヒトの自然と動物に対する後ろめたさを突きつつそれでもそのヒトの象徴かばんちゃんに向けられるけものフレンズの好意が美しく涙なしに観られなんだ #年度10選候補— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月1日
サーバルキャットのフレンズのサーバルに、ヒトのフレンズ のかばんちゃん。それぞれ同族の仲間がいなくて種族ごとにフレンズはひとりだけであることで、サバンナをさまよったり日が暮れていくジャングルにひとり向かおうとするかばんちゃんの心細さがひしひしと伝わってきて、見た目には微笑ましい可愛らしい光景なのに、愛おしくて危なっかしくて不憫でハラハラやきもきさせられました。本当の孤独と本当の愛を教えてくれる素晴らしい作品でした。
亜人ちゃんは語りたい1話 「亜人」が市民権を得た時代であっても出会うのは稀であるという状況を高橋先生が身をもって説明 市民権を得たと言ってもどうしても生じてしまう気遣いが生む壁を取っ払う…違いで生じる関係の複雑さを描きつつ差異を感じさせない接し方の美しさに惹かれた #10選候補— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月9日
亜人ちゃんは語りたい2話 例えばデュラハンの少女が実在していたら何を考えどう生活してるんだろうというところを細かく拾うことでわれわれの生きる現実に共通する様々な問題点を気づかせてくれる また彼女たちの外見的魅力や好奇心もサービスとして盛り込みながら本旨にも絡むように上手く扱えてる— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月21日
亜人ちゃんは語りたい3話 もしもサキュバスが先生だったら…の説得力のもたせ方が秀逸で普通の人には気づきにくいサキュバス特有の不便の汲み取り方が上手い 淫魔という面白く転がせそうなネタや性の感じ方捉え方情の動き方を茶化さずに真正面に捕える誠実さにも心打たれた— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月28日
亜人ちゃんは語りたい4話 異文化・異種間の差別と相互理解がテーマであるとはっきりした回 今回のように相手がわかってくれればいいけども本作は現実でなく理想を描くことが目的だと思えるのでこれでいいんです 先生が聖人君子でなく欲情もするけども理性で抑えてるというのも凄く大事なこと— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月30日
亜人ちゃんは語りたい5話 先生が雪の不安や恐れを払拭するためのヒアリングや検証に物凄く気を配ってるのが伺えて好感 気が回らないこともあるけども故意に生徒を不快にさせるようなことをしないのがいいよね 友情を確認し合う文字通りの触れ合いにも彼女たちの個性が出ていてユニークだった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年2月5日
亜人ちゃんは語りたい6話 今回はデミと共に暮らす家族の在り方から家族ならではの不満や不安に慢心が招く見落としなど様々な気付きを盛り込みつつ理想を描いたエピソード サービスやユーモアにも主張や配慮が見られていいね 批判に対する反論すらも用意した上でそれらを盛り込んでるようにみえる— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年2月14日
亜人ちゃんは語りたい7話 サキュバスがその性質上人間社会で生きていくのが特に大変であることを自身の恋心が性質によらないフェアなものであるのかすら自覚するのが困難であるというふうに丁寧に画かれていた 性やスケベ心をいたずらに美化したりしないのが凄く良い— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年2月20日
8話抜けてますがご容赦…単につぶやかなかっただけで他意はありません
亜人ちゃんは語りたい9話前半 行為の純度を図ることが人並み以上に困難である上に人の止めに用意された倫理に基づく啓発などが役に立たないから高橋先生に赤裸々に相談を持ちかけるのも納得がいってしまうのが面白い 単にサービスがやりたかっただけでも個々の想いを大事にしているから許せる— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月5日
亜人ちゃんは語りたい10話 「倫理がなんだ 当事者同士がオッケーならそれでいいじゃないか」は昨日話したののまさにって感じでつくづく気の合う作品だと嬉しくなる デュラハンならではの疑問への探究心と縁と出会いがデュラハンならではの夢を芽生えさせるyouthfulなエピソード https://t.co/dz9TSzXr1W— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月12日
亜人ちゃんは語りたい11話 いい事してる風に描いてるけど厭らしいハーレム願望を糊塗してるんだろって批判が無ければ必要のない高橋先生擁護エピソードで悲しくて泣けた 娯楽として面白くしたいという気持ちとマイノリティの悩みに誠実でありたいという想いを両立させようという必死さが伺えて— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月19日
亜人ちゃんは語りたい12話(終) 伝承から生物学的特性を拾って亜人のリアリティを補強していくのを作り手だけでなくキャラたちが行うことが出来る保健の先生と生徒たちという設定が今回も抜群に機能した 平和な時代だからこそ見れた光景・叶った体験・通った心にホロリ— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月26日
亜人ちゃんは語りたい総感 空想上の存在が現実にいたら…という設定にマイノリティの問題とどう向き合うか絡めつつ異性間の問題をコメディに上手く転化して娯楽としてライトに描いてみせた またアニメーションとして丁寧な仕事が作品の繊細さにマッチした #年度10選候補— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月26日
亜人ちゃんはどの回も凄く良くって、サービスを盛り込みながら社会的な問題も盛り込むそのコントロールが凄く際どくて、嫌い!という感想ご意見も多々見受けられましたが、僕はマイノリティの問題を扱う上での気配り・配慮が素敵だなと思いました。
小林さんちのメイドラゴン2話観てんだけどアニメーションが凄くていちいちうおおお~ッてなる 漫画チックなキャラデザだとより際立つね 取るわけでもないのに商店街の天井にかかった風船をぼんやり撮ることで考え事してる感を出すなど映像で話ができるのが京アニのすごいとこ— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月27日
小林さんちのメイドラゴンはOPでご近所や地域の人々をいっぱい登場させてるのが良くって毎回お家とか会社の様子だけでも小林さんちが世界から浮かないようになってる— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年2月20日
小林さんちのメイドラゴン総感 京アニ作品では「日常」以来の原作寄りキャラデでそれが京アニクオリティで動くというのがもう有難く 苦手なようだったえっちいネタもうまく使って情緒も節度も上手く盛り込むことで濃厚なのに後味さっぱりに仕上げた 京アニのコメディ作品において会心の出来— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月7日
京都アニメーション制作作品では久々の、原作に準拠したキャラデザで仕上げられた作品。らき☆すた以来のときめきを感じました。ホームドラマらしい温かみのあるタッチや色使いとごちゃごちゃした背景画が魅力的で、心情をつぶさに汲み取る演技演出も素晴らしく、笑いあり涙ありでどちらも丁寧に落とせてたと思います。
3月のライオン総感 柔らかいタッチや色使いにキャラデザがもたらす温かみをコミカルに活用したかと思うと寒々としたシリアスな世界も情感たっぷりに表現 内面世界が多く描かれる本作にあってシャフトの演出が抜群に相性良かった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月19日
棋士ならではの孤独な戦いと、人々の普遍的な孤独な戦いを描きながら、誰かと関わっていくことで目的や動機や拠り所を得て前進していく…曇りや雪の日のような寂寥感と、灯火のようなほんのり温かい光をイメージさせる演出で、それぞれの精神世界を効果的に演出しました。
昭和元禄落語心中総感 落語の栄枯盛衰を落語家の人生を通して今に語り継ぐのをいち個人でなく3世代かけたのが見事な手際でままならない人生と浮世との中で大きな夢を追った者やただ必死に生きてきた者様々な人生が落語の歴史にねっとりと絡みついて濃厚なドラマとなった #年度10選候補— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月26日
目に映る状況を額面通りに受け取っても物語の大まかな理解に支障はないのに、その背景にものすごいドロドロな現実が隠れていて、それでも各々が口を閉ざしているので目に映る状況を額面通りに受け取れて穏やかに暮らしていけてるんです、と言う構造になっているのが凄いんですよね。知らなくてもいいことで物事は動いているけども、知らなくてもいいことは知らないほうが身のためだという達観…。
ACCAのOP良いねえ…好景気だった頃に流行った表現に似ているからか贅沢な気分と懐かしい気分が押し寄せる— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月27日
ACCAのロゴマークってTwitterの青い鳥に似てるけどなにかつながりがあるのかしら— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月27日
Twitterの青い鳥に対して赤い鳥だからACCA(あっか)ってことだったりして— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月27日
アニメACCAの風景や色使いやファッションなどのデジャヴが物凄くてそれこそ30ウン年前物心つくかつかないかのTVや本などでよく見た光景でドキドキする 80年台からのアメリカ文化憧れが来る前くらいのヨーロッパ憧れな光景— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月5日
ACCA13区監察課総感 色使いに背景にファッションにと1970~80年代にTVなどで良く見たヨーロッパ憧れな懐かしい光景がたまらなく オータス兄妹と王家をめぐるドラマとしても十分面白かったけどそこで終わっちゃうのが凄く寂しい 美味しそうな豚の丸焼きの皮しか食ってないけどみたいな— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月1日
世界観がとても魅力的で、いくらでもうまみの出そうな作品。本作はひとつのドラマとして区切りはつきましたが、ここで終わるのか…もっといろんな物語ができそうなのに!と非常に寂しいです。
ロッタおねえさんがアッカァくんとめぐる12区の旅とかで長寿番組を目指そう— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月1日
幼女戦記1話 おっさんと少女らのキャラデザのギャップが気になったけど言動が馴染んでいるのでこれはすぐに慣れた 本作の見所がどこにあるのかがまだつかめてないのでこれは早めにはっきりさせてほしい 背景や光のエフェクトが良かった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月13日
幼女戦記2話 なるほど転生系なのだなー酷使する側の勝ち組サラリーマンだった物を主人公に据えて不穏なこと言わなきゃいいけどとハラハラするけど本人の目論見どおりにはいってないようでそこをコミカルに落とすあたりちゃんとコントロールできてると信じてみよう— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月21日
幼女戦記はたしかに原作知らない身だと1話だけではどこに魅力があるのか分かりかねるんだよね 2話目からハハァンそういうことか!って前のめりになる感じ— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月19日
幼女戦記総感 現代の勝ち組サラリーマンに神罰が下って大戦時の欧州で孤児(幼女)に生まれ変わるも前世の記憶と知識でエリート軍人になるとあらすじだけでも面白げな設定をしっかり活かしきった チートプレイをしようという目論見が外れて苦労するという状況がそのまま作品の魅力の説明になってる— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月5日
現在の知識や技術を持った者が現在よりそれらの劣る場所に転移して活躍する、いわゆるチートものにカテゴライズされそうな作品ですが、本作はそういうふうに楽して暮らしてやろうと目論む主人公がさじ加減を間違えて苦労する羽目になる、というところに可笑しみがあって、チートものの魅力をうまく利用した娯楽作品となりました。
BanG Dream!
BanG Dream!は有咲がなんで物置部屋を片付けてるのかこの時点では親しくない香澄にいちいち説明しないのと有咲が物置部屋を片付けてることに何も疑問を持ってない(有咲の普段をよく知らない)香澄というのの描き方が凄い 恐るべき技術— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年2月2日
BanG Dream!はそのキャラがどこまで他者を理解してるかをキャラ視点できっちり描けてるのが良くって傍で見てるから概ね把握してる視聴者と違ってそのキャラにはこのキャラのこの部分が見えてないってのに気付かされてあっこれは実在するなって思えちゃう— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月10日
BanG Dream!11話 通院するに至った声出ない事件を乗り越えて得た気づきが「原点に立ち返る」「自身を省みる」「気持ちを共有する」なんだけどそれらに気づくために声が出なくなるほどのプレッシャーが必要だったとはやはり思えない 今後のオーナーの振る舞いで評価が決まりそう— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月11日
BanG Dream!総感 猪突猛進で物怖じせず皆を引っ張る台風のようでいてとても繊細で気配りのできる香澄を中心に楽器との出会いや友との出会いからバンド活動に至るまでの描き方が見事で音楽の魅力と友愛の魅力を余すところなく描いた— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月26日
キャラそれぞれの世界の見方の違いからくる認識の差とそのリアクションの描き方がよく練られていて、架空の人物や世界のはずなのに本当にありそうな質感が魅力的でした。オーナーの態度が納得できないところもありましたが、納得できないまでも彼女たちが幸せならいいか、と思うことにします。
鉄血のオルフェンズ総感 南北問題をモチーフとした孤児たちの物語は一見バッドエンドな悲しい末路を辿ったけど 荒野で逞しく育つトウモロコシのように蒔かれた種が各地で芽生える儚くとも現実的で豊かさと平和を享受する我々の罪の意識を突きつつ犠牲への祈りを込めた地味でも力強い作品となった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月2日
終始議論を呼ぶ好みの分かれる作品でしたが、 現実世界で解決していない紛争・貧困・差別・格差その他もろもろの問題を扱った作品が、現実に即して答えが出せないまま終わったってのは僕は良かったと思ってます。しっかり問題を提起して、視聴者がそれについて考えを巡らせるようになれば、本作の目的は達したとみていいんじゃないでしょうか。
ガヴリール・ドロップアウト
カヴリールドロップアウト総感 サターニャに対する扱いが酷くて観てらんないって事がしばしばあったけど善悪の使い分けの上手さが天使と悪魔のアイデンティティのミスマッチが生む可笑しみにも繋がっててコメディ作品としてのレベルはかなりのもの 賑やかな演技演出もたのしかった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月1日
ガヴドロCMでよく見るサターニャのこの表情すごく好きで何話のどのシーンだったかめっちゃ探した 1話のわざと宿題忘れたってドヤしてるとこでした 定期的に見て英気を養おう pic.twitter.com/JjCi0s65EC— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月2日
可愛らしいキャラデザや色使いに加えて、多彩な表情仕草などの演技表現がコミカルで楽しく、我欲や感情をぶつけ合うけど皆いい子たちで、刺激的だけどほんのり温かくもなれる良作でした。
政宗くんのリベンジ総感 兼次編の途中感があって終わったって感じがしないんだけど2期があればいいな 藤ノ宮さんのエピソードが凄く良くって派手さはないものの丁寧な仕上げとキャラやストーリーの状況を盛り上げる演出が抜群に良かった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月1日
わかりやすいドタバタラブコメで駆け抜けるのかと思ったら、感情のかすかな起伏や表情仕草など機微で物語を紡いでいるところもあり、ズンと響く物語でもありました。まだ物語の途中という感じで一区切りついたので、ぜひ続編が観たいですね。
鬼平総感 原作小説はもとより時代劇もほとんど見た記憶のないわしのような者にはありがたいアニメ化作品は予算も行程も余裕があるとはいい難い画ではあるけどもなるほど人気の時代小説なわけだと納得の面白さ OP映像は凄く良いんだけどあれはアニメが本職の方の仕事では無いようで— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月7日
画がもう少し頑張ってもらえたらなお良かったんですが…。
この素晴らしい世界に祝福を!2総感 1期で受けたネタやエピソードなどに頼った展開が多々みられて確実に楽しいけども新鮮味や刺激ではやはり1期に劣る ダクネスがどんどん面白くなっていく一方でアクアがマンネリ化しつつあるのとめぐみん方面が掘り下げきれなかったのが気になった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月21日
1期が凄く良かっただけに2期も期待していたんですが…手堅く笑いを取りに行ったのがひしひしと伝わってきて白けてしまうこともしばしば。しっかり笑えるとこも多々あってトータルで一定以上の満足感は得られましたけども…。
このすばOP1期のが良かったって意見ちらほら聞くけどわしはよく動く2期のも好きだな 整えてきれいに仕上げたい気持ちは当然あるんだろうけど動かすのと両立はできないからどちらか選ばなきゃって時によく動かす方を選んだのが2期なんだろうと 今日では前者を選ぶことがほとんどなので本作は貴重— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月5日
このすばは1期で「作画が~」やられちゃったからあれで言われたら2期はもっと頑張ろうとはならんよね そう言う人は置いてっちゃいましょうってなってもおかしくはない— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月18日
アニメーションの動かし方が楽しい作品でした。
エルドライブ総感 脇キャラなどの垢抜け無さやはっきりとした目立つ色使いなどがどこか懐かしいキッズ漫画感が心地よかった 釘宮さん演じるドルーの声がまた耳障りがよくてねえ— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月29日
キャラやモノのデザインが独特で、子どもが好きそうな雰囲気がありますね。キッズ漫画っぽいけど深夜アニメ的な刺激もあって楽しかったです。
ハンドシェイカー総感 内容的にはありふれた異能バトルモノではあるけど奇跡に頼らなくても大抵の願いは叶うものだというポジティブさはマキハラの精神のようでブルージーでも華やかに彩られた世界そのもののようでもありとても心地よかった オサレな大阪が楽しめるのはハンドシェイカーだけ(過言— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月1日
ハンドシェイカーはシステムキッチンとか厨房家電とか妙に凝ってるけどスタッフにその手の営業とかサービスエンジニア経験のある人でもいるのかしら— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年2月9日
ハンドシェイカーは大阪を舞台にするにあたってコッテコテなナニワ的な部分でなく都市として洗練された部分をアピールしてるとこが好き 庶民的でユーモラスな人々だけでなくおしゃれでリッチでクールな人々もいての景観だからね— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年2月23日
ハンドシェイカーの舞台が大阪なのなんでだろうとふと気になって関連を探ってみたらGoHandsが大阪の会社で監督の金澤さんは大阪の人なんだな 地元の人だからこそ大阪を取り上げてもらうときにあまりアピールしてもらえない都会的なオサレさを前面に出したのかも— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月18日
大阪の話ばかりしてる…(苦笑)7年ほど住んでたのでなんか嬉しかったんです。
南鎌倉高校女子自転車部総感 OP曲やキャラデザが90年代っぽくて個性的な作品で画も丁寧で崩れることもなく駆け抜けた テンポがスローなので寝る前にはいいけど正直ちょっと退屈ではあった キャラが皆いい人過ぎるのでかき回す役のキャラがいたらいいのになーと— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月1日
夏海が主人公的に活躍しすぎていいとこ全部持ってっちゃった感が惜しいですね。
Rewrite総感 おそらく相当かいつまんで展開していったとみられて分かりかねる点も多々あったけどもそれでも観る者の心震わせるほどに感情を揺さぶってくるのだから原作のパワーは相当なものだろうと もしもの世界を総て救済することで報われない魂を救済するその難しさと意気は伝わった— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月26日
アニメーションとしての仕上がりがガタガタで非常に残念でした。
Rewriteはヒトを代表するにふさわしい在り方が主人公に求められるので要求が厳しくなるんだろうけどそれくらい大変なことなんだってのをきちんと描けてるのがいいよね 麻枝准さん関連作の場合人々の不幸に寄り添ってるので共感しやすい構造になってる— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月2日
Rewrite2ndシーズン1話 分岐ゲームのどのルートもかけがえのないものなんだよと言いたげな展開に卑小矮小なヒューマンに対する篝ちゃんの警戒心の高さの描写の積み重ねが効いて苦い嗜好品に込められたヒューマンの苦楽がそれを解きほぐすエピソードに泣かされた— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年1月15日
Rewrite21話やばい見終わって小一時間はずっと泣いてる 「ずっと悲しいことばかりだったのに」の『ずっと』と「このまま味方もなしに生きろって言うの」『味方もなしに』は刺さるなんてもんじゃないよ 小さい子のまだ始まったばかりの人生だからこそ効く #10選候補— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月9日
困難や苦境など不幸に直面したヒトの弱さと、その全てを抱擁するような厳しさと愛情の入り混じったメッセージに心打たれることも多々ありました。
うらら迷路帖総感 わしには少々重い甘味だったけども九番占に昇格して町を移る際の別れをあっけらかんとポジティブに受け入れてたのが凄く良くってこういうタイプの若さはあまり描かれないので嬉しかった 悲しい別ればかりじゃないよなー— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月26日
アニメーションとしての出来がどんなに良くっても合わないものは合わない、と良作であるはずなのにどうにもノれない作品に出会うともどかしい気持ちになりますね。
カオスチャイルド総感 謎解きの構造になっているけど主要キャラ以外の存在が感じられないというか世界に奥行きが無いというか情報が不足しすぎていて謎を解こうという意欲もこの先どうなるんだろうという興味もあまりそそられなかったのは惜しい— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年4月1日
OPは好きでした。
チェインクロニクル総感 善と悪のせめぎあいがキャラごとに似通ってるのと黒の王サイドも根底が善であるので退屈であった RPGの終盤から始まるってのは斬新だったけど皆さんご存知のって感じでキャラがわらわら出て来てひさしぶりーってやるので慣れぬ土地でパーティに招かれたような疎外感も— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年3月29日
アニメーションとしてはよく出来てたとは思います。
総感
2017年の冬アニメ(1~3月期)は、「昭和元禄落語心中」や「3月のライオン」「ACCA13区監察課」など、画もストーリーもどっしりとボリュームのある作品や「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」「この素晴らしい世界に祝福を!2」など強力な継続枠・2期作、京アニが久々に原作準拠キャラデザで仕上げた「小林さんちのメイドラゴン」に「亜人ちゃんは語りたい」「幼女戦記」など話題性溢れる作品など、個性的で豪華な作品の多いシーズンでした。そんなシーズンの話題を独占したのが「けものフレンズ」。アニメ史に残る大ヒットとなりました。
2016年秋アニメ私感
僕はサイコ・ホラーな雰囲気は本来好きではないんだけども、本作はポップでクールでカラフルな雰囲気がそれを払拭してしまうパワーがあって、おぞましいシーンがあっても引きずることなくトントンと展開していくのが有難かった。りょーたすのキャラ造形…今日的な顔立ちに少しふっくらとしつつもすらっとしたボディにまるで不釣り合いな豊満なバスト…ポヤヤンとした態度の内に秘められたもう一つの性格…それは彼女の手にする「ポヤガン」のようであり、本作そのもののようでもあった。つまりりょーたすも本作も僕好みで超好き。最高。
フリップフラッパーズ
最新の表現と懐かしい表現が混在するファンタジー世界は、見ているだけでも賑やかで楽しい。2進数を匂わせるタイトルやだまし絵など、表裏を意識させる表現が随所にみられて、今見ているもの、今起きている状況がいつ覆るかという緊張感があった。
ハチャメチャな世界を趣味的に描く一方で、子には子の、親には親の、周囲には周囲のそれぞれに向けた示唆や教訓も多分に含んでいたようにみえたが、そちらに関しては正直自信がない。それよりも、われわれのよく知ってる現実さえピュアイリュージョンの一つとしてしまうセンスのほうに惹かれた。
滝先生が来て全国を目指すことになった、新生北宇治高吹奏楽部における椅子取りゲームを学園バトルめいた熱気で描いた1期と比べて、1期で棚に置かれていた問題を拾っていきつつフィナーレに向かっていった2期は、全国へ行くという目標をかけた舞台を濃密に描き、わだかまりもしっかり拭って、視聴者のガイド役めいた久美子が主役として再度浮かび上がって締める鮮やかな仕上がりとなった。
ガーリッシュナンバー
性悪な新人声優・烏丸千歳が主役の声優業界を舞台にしたお仕事アニメで、業界のネガティブな部分も多分に描くのだけども、コメディ作品として描かれているので、クサクサせず楽しむことができた。それはビジネスライクなようでいて親身な仲間たちだったり、脳天気なようでいてちゃんと目配せしている業界人だったり、無責任なようでも腐りきってはいない責任者だったり、性悪というより世間知らずゆえの駄々っ子でしかなかった千歳など、そんな人たちを愛おしく思えたからかもしれない。
ユーリ!!! on ICE
男子スケートを描くにあたって、同性愛を匂わせる表現を露骨に取り入れるサービスを盛り込みつつ、師弟愛やライバルや友への想いと上手く結びつけてドラマチックに演出した。スケーティングの描写が早々に崩れてしまったのが非常に残念だけども、個人競技の性質や選手や指導者の心理が素晴らしくリアリスティックに描けていた。
WIXOSSアニメシリーズ同様、願いを食い物にする何者かに囚われた少女たちの悲しい闘争の物語。対戦形式の格闘バトルによる命を賭けたサバイバルゲームは、彼女たちの辛く悲しい境遇やささやかな幸せを描いているがゆえにより悲惨であり、それはショッキングで見ごたえのあるものではあった。ただ、最後の最後まで全く救いがない上に、息抜きができる箇所すらなかったものだから、観続けるのがとても辛かった。キャラのメイク描写、特に目の描き込みが色っぽくて、それが見たいというのが視聴のモチベーションの一つとなった。
淡めの色使いとまんまるちんちくりんなキャラデザが可愛くて、見てるだけでも幸せになれる作品。もちろんコメディとしても十分楽しめる。個人的には同系統の作品群の中では1・2を争うほど好きな作品となった。
1話めはノリがつかめず戸惑ったけども、2話目以降は部活モノとして楽しめるようになった。キャラの個性が皆強すぎて、時折笑うようなとこでないのに笑ってしまうこともしばしば。そこまで貪欲にならなくても、作品としての軌道は安定してると思うけども…。色気で釣ってもいけそうな作りであるのに、卓球してる姿をカッコよく描いてくれたのが良くって、しっかり熱くなれた。
装神少女まとい
何処かで見たような光景、どこかで聞いたような台詞回し…中盤まで本作の個性が見られなくて不安になったけども、団欒を奪われた家庭がそれを取り戻す物語として終盤にググっと輪郭がくっきりして見ごたえあるものになった。長い間離れて暮らしていたために余所余所しい父娘の様子、特に伸吾の態度のリアルさが光った。ゆまちんのアシストもGOOD。
2クール目に入り、戸崎の懐に上手く飛び込んで逃亡生活に一区切り打つなど、新展開になっても面白さは健在。佐藤の打つ手打つ手が面白かったし、双方知恵を巡らせての攻防がまた楽しかった。キャプチャを使った演技は皆どこかチンピラっぽくて、それが合うキャラもいれば合わないキャラもいたり…もう少し演じ分けてほしかった。
ブレイブウィッチーズ
優秀な姉を持つ普通(?)の少女が様々な困難を経て成長していく物語。ストライクウィッチーズ同様、「履いてない」という以外はまっすぐな成長譚で、仲間と打ち解けて信頼を得ていく様子など、物語の定番をしっかり押さえて手堅くも確実に楽しめる内容となっている。放送延期もあり、苦しい箇所も多々見られるけども大きく崩れることなく駆け抜けた。個人的には、今後まだシリーズが続くならもうそろそろ履いてほしいところ。戦闘中はともかく、普段も履いてないとさすがに格好がつかないので。
Lostorage incited WIXOSS
WIXOSSアニメの新シリーズ。selectorシリーズよりもカードバトルは複雑かつ具体的に、登場人物は男性も参加して多くなった。本作だけなら悪くはない出来だけども、selectorシリーズに比べるとどうしても印象が弱く感じる。千夏のやさぐれに時間を割いた分、すず子との和解のプロセスが不足に感じた。
説明過多で巻き気味に展開していく様は1期より酷く、余韻に浸る間も無いまま次に進んでしまうので呆然としてしまうことも多々あった。内容に比べてキャラが多すぎたのではないか。しかしながら物語をそうして23話でぴしゃりと締めた後に、24話でたっぷり余韻を設けたのは意外で、サンジゲンの決意表明にも思えるエピソードはなかなかに良かった。
終末のイゼッタ
欧州における第2次大戦に魔女や戦姫物語を絡めたのはユニークであったけども、キャラデザや台詞回しの真新しさがどうにも馴染まず、サービスも空回りしているようにみえた。戦闘シーンの展開やアイディアの工夫で見せる面白さは素晴しかった。
ろんぐらいだあす!
キャラの目線より高い構図を極力使わない、力強いカメラワークに期待が高まったけども、早々に力尽きてしまったのが非常に残念。キャラデザも内容的にも好みなので、ちゃんと作られた完成版が見てみたい。是非。
以上です。秋アニメは2016年度で最も充実したシーズンと言っても良いんじゃないでしょうか。個人的な事情で何本か見逃してしまったのが残念。
話数単位で選ぶ2016年TVアニメ10選
お色気という言葉が生易しく感じるほど扇情的なエロを描きつつ、コメディ作品の体裁を守ってちゃんと笑えるようにも構成された、どの方面にも妥協のないパワーみなぎるエピソード。作画が素晴らしかったのはもちろん、掛け合いや状況をどの構図からどのテンポでどう展開していくことでどう可笑しみを生み出すか、というユーモアに帰結するコメディ作品としての軸足を守った設計が素晴らしかった。
Re:ゼロから始める異世界生活 20話
白鯨討伐において、白鯨を妻の仇とするヴィル爺の、若き日の回想を交えたエピソード。「剣聖」と謳われた若き日のテレシアに恋をしたヴィルヘルム青年が、彼女と対等になるために剣技を磨くべく精進した日々の様子から、彼がなぜスバルの身の程をいち早く看破できたのか、そのうえでなぜスバルを応援してこれたのかが納得できる構造となっている。「剣鬼」と言わしめるまで高みに登れた男の、不器用で一途な愛の物語は、スバルへのエールのようでもあった。作り手の熱気が過熱してクドくなりがちな本作の中で、最も良い塩梅のエピソード。
灰と幻想のグリムガル 5話
リーダーのマナトを失い、パーティとしてのまとまりを欠いたまま新メンバーを迎えたことで余計に関係がギクシャクする。物語のように簡単に腹を割って話すことのできない、人と人の垣根の描き方がリアリスティックであったし、ハルヒロとユメがその垣根を超える瞬間に感動があった。死が隣り合わせの世界で、仲間の死の悲しみを慰め合う二人の艶めかしさが生と性を直結させる。現代人が感覚だけ保ったまま異世界に飛ばされサバイバル生活を余儀なくされることで、現代人が忘れかけていた感覚を再認識させよう、そんなねらいが見えたエピソードでもあった。
フリップフラッパーズ 6話
ココナとパピカの過去話のように構成されていて、それだけでもハラハラさせられるのだけど、実は…という驚きがあって、めでたく終わった後に、いや…でもココナとパピカの過去話でもあったんじゃないか…?と疑心暗鬼にもなる、観る者の認識を揺さぶるエピソード。ここに至って、この先何を見せられても覆されてしまうんじゃないかと全く油断できなくなったことが、以降のネタばらしにおいても程よい緊張感をもたらしてくれた。
響け!ユーフォニアム2 5話
全国に行けるかどうかというコンクールの、緊張感の演出が見事。希美をめぐる問題が一段落したタイミングも絶妙で、いよいよコンクールというときに本番で実力を出しきれるか・または評価されるか以外に不安要素がないぶん、かえって緊張感が増す構造。また、演奏に尺を割いたのが効果的で、舞台袖でうずくまって祈る葉月とおそらく同様の、どうか無事終わってほしいという心境となって、終始落涙させられた。
振り返ってみれば、北宇治高校の吹奏楽部にとってはここが最終にして最大の課題。「全国に行く」という目標を達成すれば、後はご褒美のようなもの。演奏シーンに力を入れたのも頷けた。個々のモチベーションはそこにとどまらないのだけども、それはまた別の話。
3月のライオン 9話
棋士歴40年の松永さんが、零との対決をもって引退を考えてると香子に揺さぶりをかけられる零だったが、松永さんの慌てっぷりとそれでも挽回しようと健気にもあの手この手を繰り出す様子に、見てるこっちがシリアスな気分が吹き飛んでほっこりしたし、負けてふてくされる様子や居直って奢らせた挙句、郷土自慢で管を巻く。年季を感じさせない松永さんの、それでもどこか愛らしく思える源流が、松永さんの将棋に対する並々ならぬ想い入れにあった。棋士生活の最後になるかもしれない相手が有能な少年で、かつ自身の将棋人生とその想いを聞いてくれたとあっては、もう少し続けてもみようかな、と思うかも知れなかった、そんなほっこりあたたかいエピソード。
映画でなく漫画の動画化を意識してるフシのあるシャフト独特の、文字通りのコミカルな演出がぴったりフィットした目にも楽しいエピソードでもあった。
昭和元禄落語心中 1話
各話どれも素晴らしくて悩んだけども、全て観終えると改めてここが着地点だとわかる1話が抜きん出ている。チンピラ・与太郎を拾ったくせになんだかんだと面倒くさい八雲と同居してるにも関わらず険悪な小夏…それぞれの深く複雑な関係のいわれを紐解くと、長い長い昔話になるのだった…「縁」の妙を描いた本作の、今シーズンでの始まりと終わりの役目を担い存在感を示した。
キズナイーバー 7話
クラスメイトと共同で連載漫画を描いていたこと、関係の認識の不一致で決別したまま死別したこと…それらを心の傷として持つためにもう友達は作らないという牧穂乃香に、キズナシステムだけのつながりにとどまる仲間達が改めて友達になることで痛みを分かち合おうというエピソード。「忘れてしまいたい過去は絶対に忘れてはいけない過去なんです」PTSDの治療に酷似した方法論が見て取れた他、牧を救おうと奔走した仲間たちと亡き友との時を越えた和解が素晴らしかった。
4話と悩んだが、やはり舞の詠唱シーンや電柱ファントムとのリンボー対決など、インパクトでこちらが勝る。京アニにおいては稀有なエッチさと、着衣の生地の感触まで伝わってきそうな身体の柔らかい質感の表現が素晴らしく、強烈なインパクトを受けた。
装神少女まとい 11話
11年前、世界を崩壊から救うべく頂次元へ向かったまま消息不明となった母と同様に、再び起こった世界の崩壊の危機を救うために頂次元に行けるのはまといだけ。妻を失った悲しみを未だ引きずっていて、かつまといには絶対にそうなってほしくないと思っているからまといが退魔少女であることも知った上で自分をごまかしてきた伸吾…という描写の積み重ねと、長いこと別居していたためにどこか余所余所しい父娘の微妙な距離感を積み重ね描いたのが効いて、嫌だ別れたくないと泣いてすがりつきたいくらいなのに、父娘ともにとうとう別れのその日その時まで普段通りのお出かけを装い、平静を装って別れる。別れた直後に様々な思いがこみ上げて泣き崩れる伸吾に、観てるこちらも共感を覚えた。伸吾のリアリスティックな父親像が強烈に印象に残ったエピソード。
以上です。
本年度は「このすば」や「昭和元禄落語心中」「響け!ユーフォニアム2」に「フリップフラッパーズ」と、どの話数も素晴らしいという作品が多い一方で、「迷家」「クロムクロ」「コンクリート・レボルティオ」「オカルティック・ナイン」「亜人」など、話数単位で切り取るのが難しい作品も多く、選考に四苦八苦しました。
あと、今後もブログよりTwitterのつぶやきが中心になりそうなので、「10選候補」タグをまめに活用せねば、とも思いました。(つけてるつもりだったけど意外と怠けてた)