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グリザイアの楽園10話(最終回)

オスロへと迫る雄二の前に立ちはだかる雄二そっくりの男。雄二と一姫のクローンらしい彼についてここまでほとんど掘り下げられてなかったので唐突感はあった。しかし、雄二のことを「兄さん」と呼ぶ彼に対して、初対面のはずの雄二は「お前に兄などと呼ばれる筋合いはない」くらい言ってもいいはずなんだけど、彼のことを「弟」と呼んだところに思わず唸ってしまった。

雄二と一姫のクローンとしてオスロの下で生きてきた彼に、自身の境遇を重ねたのかも知れない。「迷宮」から描いてきた雄二の背景の積み重ねが、彼ならそう言うだろうと思わせる説得力を与えてくれる。

また、雄二が自身のために生きていくことを肯定し、背中を押す麻子というシーンは「カプリスの繭」編ED映像でのシーンが重なってゾクッと鳥肌が立った。あのED映像の麻子は物凄くカッコイイので本編にも活かしたいという気持ちは頷ける。

楽園エンドを期待させる一姫と天音のやり取りがオスロとの対決で効いてくるところも良くって、これはハッピーエンドでしょって気持ちのところを文字通りブスリと刺す展開にハラハラ。ここでも対決自体はわりと淡白なものだったけど、雄二が受けた致命傷に思えるダメージに本作ならバッドエンドもやりかねん…そう思わせるのも本作の魅力のひとつで、しばし絶望感に浸っていた。

オスロとの対決後、雄二が外した手錠型爆弾が床に転がってるシーン。雄二が生きることを諦めてないことが伺えて、胸に熱いものがこみ上げてくる。そして雄二が薄れゆく意識の中で見た麻子、そして「生きろ」の文字…ここでもうぶわっと涙が溢れてきた。

思えば「楽園」の意味がわかりかけてきた数話前にもうハッピーエンドを確信したものだけど、最後の最後に気を揉ませてくるところが上手い。

本作ならもっと官能的な楽園エンドになるのかな…と淡い期待はしていたもののそうならず…ゲフンゲフンいやでもハッピーに締めくくっただけでも充分です(目泳)

別にハッピーエンドでなきゃダメってわけじゃないけど、本作の場合は美浜学園の子たちを救ってきた雄二が、美浜学園の子たちに救われて、生きることを選択する…というところに落ち着かないと麻子が浮かばれないので、そういう結末になってくれたことが凄く嬉しかった。素晴らしい結末でした。