アニメられる日々

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響け!ユーフォニアム12話

滝先生がコンクールに向けて難易度を上げてくるところから始まる冒頭、今出来る事を煮詰めるのでなくより上を目指していく、勝つための部活動の緊張感がひしひしと伝わってくる。

うだるような暑さがキャラたちの汗や表情・譜面を見る視界などから伝わってくる、その光景がそのまま面々の「熱」として伝わってきて…心象風景のような画がリアリスティックに伝わってくるのは、その心象がリアリティを感じさせてくれるからなんでしょう。

あすかが難しいとされるパートをさらりと演奏してみせることで、久美子との技量の差がわかるさり気なく重要なシーン。これまで久美子の技量が一体どれほどのものなのかってのは実際明確には描かれてこなかった(と思う)んだけど、あすかには及ばないとわかって「上手くなりたい…!」がしっくりくるようになった。

鼻血が出るほどの心身の疲労に気づかないほど熱中するというのは、みどりが居たから良かったもののちとヒヤッとした。それほどまでに上手くなりたいという久美子の想いが、秀一の上手くなりたいと重ねるところは上手い。

その後出会った葵と姉の言葉にイラッとして部屋でユーフォ吹いちゃうとこ、多分この時久美子は「自分だって理由があってやってるわけじゃない」「それじゃダメなのか」「熱くなっちゃいけないのか」とそう叫んでるように思えた。

中盤、練習での滝先生の秀一に対する「練習で出来ないことは本番では絶対できない」という言葉、これは僕が運動部に居た時コーチに常々言われてた「練習のつもりで試合は出来んが試合のつもりで練習はできる」が思い出されて、本作1話めから運動部と通ずるものがあるとは思ってたけどこれは凄い!と唸ってしまった。ちょっとした取材ではこういう言葉はなかなか拾えるものではないと思う。

滝先生の「もう一度聞きます」のとこでおやっと既視感を覚えたのだけど、これに感しては視聴後まで汲み取れなかった。

[響け!ユーフォニアム] - flower in my head

こばいもさんの記事、しっかり汲み取ってて素晴らしいです。もう僕書かないでいいかなくらい(汗

 それにしても合同練習の風景、素晴らしい…各パートごとに細かく多様な指示を出して、戦う部活動の風景の描写が実にいい。などと思ってたら秀一の努力が報われる一瞬でハッとココロ鷲づかみにしたかと思うと次の瞬間にはパートを外される久美子とドンと突き落としてくる。緩急というより急急といったテンポが絶妙。秀一と久美子同じ壁に挑む者同士の「可」と「不可」の明暗に、勝つ組織のシビアさが表れてる。

緑と葉月の励ましが響かないところは切なく、それもそうでこれは自身の技量の問題。麗奈もあすかもそこには入っていけないんだねえ…。

悔しさで涙する久美子と秀一の「僕のほうがもっと上手くなりたいんだ!」なガンダムパイロット争いやりとりなんかセイシュンしてて見てて赤面しちゃうけど、悔しくて死にそう(比喩)な久美子がかつて麗奈が流した涙の意味を知る、麗奈の行く「特別」な道に久美子が合流した瞬間、これこそ「次の音楽が始まるのです」だよね。ここんとこのために取っておけばよかったのに(小声

終盤、姉とのやり取りでなんとなくユーフォを続けてたはずの久美子がユーフォが好きなんだ!と再確認する件の描き方も良かったねえ。ユーフォが好き!て言葉が先に出て、あっそうか私ユーフォが好きなんだ…と鏡を見つめると。

最後に先生の方からワンチャンあるで、となったところはご褒美的なものだねえ。その後の麗奈とのショートコントも含めて。物事に一段落がついた時にふっと息継ぎできる場所を用意してくれるのは有難いし、その場所のチョイスも良し。これは加減を間違うと雰囲気を壊すので、その点本作は上手く加減が出来てる。

こういう幕引きで次回へ続くなら、次回も期待しててよさそうだ。いよいよ最終回!