パンチライン12話(終)
ぐり子との決戦に明香の危機とオチにと特別サプライズもなく手堅く展開していくところは物足りなく、大佐の正体に気づいた愛や霊感が発動したラブラなど掘り下げ切れてないのが惜しい。
ラスボスがかつての友であったことで因縁の終止符に躊躇がみられて、これ自体は物語として鉄板なんだけども、タイトルに象徴される本作の魅力がスポイルされてしまってて、相性の悪い組み合わせ。
みかたん(ちよ子)のユーバ化による余命の設定もそれ自体はいいんだけども、やはり本作の雰囲気に馴染めず、あらゆる手段でなかったコトにする…ような勢いもなく大人しく設定に従ったところも寂しい。
宮賢遊太(パイン)ややこしいな の自己犠牲もそれ自体は以下略 でもこれはその後が悪くないので…もちろん上記の部分を「そういう物語」と受け入れた上での話だけども。
皆を元の体に戻そう、となって、パインがそれを拒みちよ子の体と入れ替わって死亡(?)する。
ちょっと自分でもややこしくなってきたので以下おさらい。
・パイン→ちよ子(遊太名義)→みかたん(死亡)
・ちよ子→みかたん→ちよ子
・ぐり子→パイン→パイン
身体を交換する件から話は49日後に飛び、みかたんはちよ子の体でストレンジジュースとして活動、明香・愛・ラブラは相変わらずで、ぐり子はパインの体でどこか旅をしている様子。死亡したのは「みかたんの身体」だけど仏壇の遺影は遊太。遊太(パイン)は幽体としてこれから過去に飛びラブラ(5さい)に憑依する…。
遊太(パイン)抜きで最高にハッピーでピースフルな日々を送る面々が眩しく、これじゃ遊太(パイン)はあんまりじゃないか!と思うけど、この時点で遊太(パイン)の未来はまだ定まってなくて延々ループすることになる。
どこかで状況を変えることが出来たら、その時は遊太(パイン)にも最高にハッピーでピースフルな未来が待っているでしょう。たとえばパインが改心しみかたんがユーバ化せず平和裏に皆が元の体に戻る、そんな未来…。
いや今描けよ!今!本作で描ききってくれよ!
コホン いやでもね、いいんだ。だって好きなんだもん。面白いもん。面白かったもん。
総評
タイトルを品のない方向に表現したOPや序盤のドタバタ感が賑やかで、元がゲーム企画だったことが頷ける独特の視点と順序で展開していくことで謎を解いていく楽しさがあった。みかたんの憂鬱に寄り添うようなキュートでちょっぴり切ないEDも最高。
なにより「フリクリ」「アベノ橋魔法☆商店街」を思わせる僕の好きなガイナックス作品の雰囲気が本作にはあって、今のガイナックスがまたこういう作品を作るかどうかはわからないけど、それが叶わないとしてもこうしてその息吹を感じさせてくれる作品が出たことが嬉しくて、今後もこの火は絶やさないで欲しいと願いたい。
シリアス色が強くなっても最後にどんでん返して来るだろうと思ったら素直にスッと締めくくっちゃったのでズコーてなったけども、総じて楽しかった。有難うございました。