アニメられる日々

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プラスティック・メモリーズ12話

この世から消えて無くなってしまう恐怖に涙し、夜中に起き出してツカサにすがりつくアイラ。本作で一番期待していた部分が冒頭から見られた。

朝には何事もなかったように食卓につき談笑するツカサとアイラ。でも未明の出来事による陰りがみられて、「美味しい?」の問いに言葉が出ず手でGoodサイン作るのがやっと、というアイラの余裕の無さが悲しみを誘う。

出社するなり始まった同僚たちのおせっかい、こういうところはほんと本作の煮え切らないところで、皆大人であって職場なんだから、皆が皆とは言わないまでも、も少しスマートな接し方が出来るキャラがせめて1人は居てほしい。今回に限ってはカヅキとの距離感から生まれる深刻な雰囲気は良かったけども。

ツカサとアイラで映画に出かける件からまた良くって、残された時間に対する緊張感や不安感が常にあるのが、観てる側の…少なくとも僕の、アイラの状況に対する緊張感や不安感と波長が合ってきて、二人の挙動ひとつひとつに心揺さぶられる。

カヅキに呼び出され、ツカサにつきつけられたアイラの回収同意書。この事情をツカサはアイラに打ち明けつつ、いっそこのまま二人でどこか遠いところに…というところを、抱きしめつつなだめ、サインを促す。ここは、二人がターミナルサービス課のギフティア回収係としてこれまでしてきたことがその身に降りかかってくるところであり、アイラがそれを一片の動揺も見せず全うしたことで、これまでしてきたことが輝きを放つ。

アイラの見守る中、同意書にサインするツカサ、というシーン。もっともギフティアの場合選択肢がないので、サインするしか無いのだけど、ツカサのその心中を思うとたまらないものがあった。

二人の最後の仕事、サラの回収で、最後にアイラがサラに何か囁くところ、ここは最期まで伏せてたほうが物語として盛り上がったんだろうけど、あれ何を言ってたの?というツカサの問いに、アイラがもったいぶらず答えたところは、残り時間が少なくいつ「その時」がくるのかわからない状況で、もう互いの気持ちを隠してる場合じゃないという逼迫感がそうさせたんだと納得できて、そう思うとより一層悲しい。

これまでいろいろ不満もあったし、それは棚に置いておけるレベルではないけども、だったら裏庭に放ってでも二人の行く末を見届けたい。そう思わせる良エピソードでした。