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シドニアの騎士 第九惑星戦役12話(終)

紅天蛾との決戦。衛人内部に侵入した紅天蛾のエナが星白を模して谷風を惑わす。

エナ星白の口吻と、その時周囲に咲くエナの花…なんとも官能的なシーン。

イザナの機転で本体とエナの切り離しに成功し、躊躇なく本体を貫く谷風。残されたエナが星白の姿を保っているというのはなんとも酷ですなあ。エナ星白に、つむぎに、再びエナ星白。死んでいったはずの想い人が、形を変えて何度も目の前に現れる。これは辛い。

紅天蛾との決着がついて、ほっと一安心かと思ったら大量の奇居子に囲まれて、もはやこれまで…の所での援軍到着にカーッと胸が熱くなった。遠い宇宙の惑星のガス立ち込める中、孤立する仲間を救いに続々到着する「隼風」…人間って凄い!(いや創作だけども)脳内で「騎士行進曲」が流れた。

勲章授与式の後、谷風の質問に対する岐神(落合)の不気味な答え。つむぎの母体となったエナ星白を思うと…。

谷風に無茶をさせるなというヒ山の嘆願を、英雄は必要だと拒絶する小林のやりとりの一方で、故郷というにはあまりにも殺風景な地下倉庫に戻り、勲章をかつての英雄である祖父に預け、騎士として再び戦場に出る谷風…という、作品のタイトルを象徴するような着地が見事でした。

 

総評

1期同様、順序を入れ替えたり大胆に削ったり(後に見せるつもりかもしれないけど)、変更を加えつつ、大筋をしっかり捉え、一方でキャラの魅力に関わるちょっとしたエピソードももらさず描くことで、原作の魅力は充分堪能できた。

つむぎの登場で、触発されたかのように集う女性キャラたちとのユーモラスな日々は、殺伐としたシドニアの生活に彩りをもたらしてくれた。遠く離れた宇宙で、1000年余りを構造体の中で過ごした人々の日常が、生態が、言動がたまらなく魅力的でした。