監獄学園 １話

予備知識無しで観たからヤンマガっぽいなあと思ったらヤンマガ原作コミックだったし、ギャグ漫画でなるほど水島努氏の土俵だ…と唸ってしまった。

女子校だった学校が共学になり、喜び勇んで入学したものの男子は５人だけという完全アウェー状態で、ただでさえ分が悪いのに、「裏生徒会」なるものが男子生徒との接触を暗に女子生徒たちに禁じている状況下で、でもほとばしる情熱が抑えきれない男たちの悶え足掻く様子が、悲しくも可笑しい。

そんな中で、主人公キヨシが、相撲好きの子・千代と趣味を通じて関わりができて、デート（相撲観戦）まで約束できた、というところが本作の救いとなるかはてさて。

女風呂を覗くぞ！という悲しい馬鹿野郎どもに付き合うことになって、なんだかんだで裏生徒会の御用になる。２ヶ月の監獄生活、厳しい懲罰。そんな中でも性癖を発露する面々がまた可笑しく。

監獄生活の中で偶然再会できたキヨシと千代。冤罪だと思ってる千代と、正直に話すべきだと思いつつ千代に失望される事を恐れて事実を話せずにいるキヨシの心理がわかりすぎるくらいわかって胸が張り裂けそうになる。

モテない男の悲しい性を描き、乾きを雨水で癒すようなささやかなサービスで慰撫する、モテない男の心情に寄り添った作品。当然好みは分かれるだろう。僕はすっごい好き。面白い。ヒールで思いっきり踏まれたい。

作家性や個性を見える形では全然出さないけど、原作を尊重する、あるいはその魅力を最大限に伝える、というのが水島努氏のカラーなのかもしれない。サービス精神というか。