アニメられる日々

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乱歩奇譚 Game of Laplace 3話

雪の日のおそらく公園のベンチで、紙袋を頭から被ったサラリーマン風の奇妙な男がうなだれている。そこに一人の少女が現れ、奇妙な男が三日も食べ物を口にしていないことを知ると、一旦その場を去り、戻ってきて買ってきたらしい大判焼きを差し出す。この奇妙な男の姿に不審を抱いたものの、後に涙をさそうものになるとは思いもしなかった。

少女を狙った連続誘拐事件と、少女愛者で少女を狙って誘拐するという噂の変装の名人、影男。その特徴が紙袋を頭から被るということで、冒頭の不信感を煽る。

以上の事件への捜査協力依頼を、俺には関係のない事件だ、と断るアケチ。かっ関係ない事件とは何だ!じゃあ人間椅子事件はなにか関係があったとでも言うのか!エッ!

コホン、ともかくアケチが乗り気でないので独断で捜査しちゃおうというコバヤシくん。かわいい。

そこに乗り気でなかったはずのアケチがやってくる。ここでさっきは俺には関係ないと言ってたのに「放っておく訳にもいかないだろ」と言ったアケチに、ハシバくんが「あなたにもそんな常識的な~」と言い切らないうちに「アケチさんじゃない…!!」と気づくコバヤシくん、という一連の件が最高。ハシバくん惜しい!

偽アケチの正体は影男!大胆不敵な登場だけども、どうやら今回の事件の犯人でないらしい、という事が早々に判明する。ここで冒頭のミスリード的意味合いは消失するんだけど、かわりに影男と少女の物語として色みを帯びてくる。

誘拐には手を染めてないだろうけど、おそらく変装の特技を生かして窃盗などは働いているであろう影男。少女を傷つけないことを信条としている彼のモチーフは、言うまでもなく『怪人二十面相』だろう。その影男の行動の動機の一端が、病に伏す少女の療養費にあったと思うと、かつて少年探偵団シリーズで心躍らさせてくれた『怪人二十面相』が、好解釈で蘇ってきたようで、感無量。

また、コバヤシくんの女装も背徳感あってドキドキ。たしかに少年探偵団シリーズでも小林少年はよく女装したんだけど、こういったドキドキ感は現代的だね。いい時代になりましたな…。

コバヤシくんの囮捜査で犯人に誘拐される形でアジトへの潜入に成功する。こうなるともう現代では居場所を突き止めるツールなどいくらでも仕込めるので詰んだも同然。このあたりも現代的ですな。ロリコンで親を巻き込む形の犯人像も現代的。この辺はこういった事件にはこういう犯人のが妥当だろうということ以上の含むところは無さそう。

コバヤシくんを追って犯人のアジトに駆けつけた影男が、気がかりにしている少女・さち子の姿が見えないことに焦る。残された少女たちに行方を尋ねて指し示されたその先にあったのは、コンクリート詰めにされた少女たちの変わり果てた姿で、そこにさち子も居た、とこれは辛い。かつて療育費を工面して救った少女の命が、誘拐犯の手によって殺められた、影男の悲しみが胸を打つ。子安さんの熱演がまたイイねえ。

警察が駆けつけて一件落着するも、影男の姿はない。しかし、コバヤシの見るシルエット姿のモブの中に、ひとり涙する警官が去っていく姿が映る。最後に事務所でアケチの開いたPCの画面に映る『二十面相」の文字。影男が怪人二十面相としてデビューした瞬間だろうか。ワクワクする幕引きもGOOD。

「乱歩奇譚」とは言うけれど、少年探偵団シリーズしか知らない僕にこれほどビシビシ響く作品であったのは有難い。モチーフにした、という程度で収まらない要素の選択や取り入れ具合が最高。『二十面相』は現れるのか、今後への期待も膨らむ。