アニメられる日々

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乱歩奇譚 Game of Laplace 5話

怪人二十面相』に扮して、法で裁けない悪を『断罪』してきたカガミ刑事への取り調べの中で、彼の今に至る経緯が明らかになる。

前々回の連続幼女誘拐犯・ワタヌキと、そしていわゆる『現・二十面相』の正体がカガミ刑事だったというところで、『現・二十面相』の犯行内容を考えると、『妹思いのカガミ刑事』という積み重ねが効いて、回想で登場する妹が心配で心配で終始ハラハラさせられた。

両親が居なくなり、父親代わりに妹を支えてきたカガミと、同じく母代わりにカガミを支えてきた妹トキコ、というどちらかが依存するでなく支えあう関係性と、苦労して警官になったと思われるカガミに、苦労のなかデザイナーを志すも報われないトキコ、という対比も上手い。

家庭の事情もあり仕事に燃えるカガミの、その炎が正義感・使命感に灯るのは必至で、そんなカガミが、罪を犯しても法的に拘束できず再犯が繰り返される現実に、次第にその内に義憤が鬱積していく…という流れは悪くない。カガミが捉えた犯人に恨みを買う、という流れもわかる。ただ、カガミに恨みを持つ犯人の、妹トキコ殺害までの流れは詰めが甘いというか、都合的に感じる。そこはもう少し丁寧に描いて欲しかった。

トキコとは何の関係もない、法の目をかいくぐって罪を犯し続けるような人間に、惨たらしく殺されたカガミの心中を思うと…言葉も無い。カガミの復讐は人道には悖るだろうけど、不覚にもスカッとしてしまった。同じ立場だったらどう行動するか想像もつかない。

ふと、カガミの妹はいつ殺されたのだろう、と気になって振り返ってみた。

3話の時点で、アケチ宅にいるカガミに妹から電話が掛かってきてて、この時は妹は存命だったんでしょう。まさかカガミの妹の死をアケチが知らなかったってことはあるまい。3話終了時点ではアケチの様子に不審点は見られなんだ。ということは、4話の『現・二十面相』登場前、つまり3話と4話の間にトキコ殺害事件があったことになる。

これってすごく勿体無く感じて、例えば1話くらい間を置いて、カガミの変調があとで見れば分かるくらいの描写があれば面白かったと思うんだけど。4話の署内でのカガミとナカムラさんのやりとりでみせる、ふたりの微妙な雰囲気から、カガミの携帯に視点が移るところなどは見返してみておおっと前のめりになったけども。

ともあれ、なかなか心乱してくる印象深い1話だった。粗はないっちゃ嘘になる、という手際ではあるけども、面白いと思わせる力が画にもストーリーにもある。