アニメられる日々

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Classroom☆Crisis 4話

記念館として保存されていた旧工場に追いやられ、仲間の半数が見限って去って行き、設備に乏しければ予算もない、と八方ふさがりなA-TEC。運転資金は五億は必要、どうする…?というところでバイトでもするか、と冗談も飛び出すなか、労組だ!抗議だ!という方向に行くところはユニーク。お仕事モノ・企業モノにあって、理不尽な配置換えや待遇を粛々と受け入れるのでなく、まずは抗議しようと、そういう手段もあるんだよ、と描いていくところが好感。

労組だっていいもんではない、裏がある、とリアリスティックな事情の複雑さも描きながら、政治家と関わるのは金銭的見返りでなくあくまでも発言力を得るためと、労働者の権利や待遇を守っていく組織としての存在意義や価値まで否定しないところ、制作者の良心が嬉しい。また、事態の収拾を命じられたナギサの打った手がカイトの昇進で、幹部となったカイトは組合の宣伝マンから一転して労働者の敵となった!という件の、目からウロコな手段とその喜劇的な展開が素晴らしく、ああ、楽しい作品だなあと心底思えた。

政治家の宣伝の道具となることに自覚的で、それでも自分のため、仲間のために奮闘したカイト、そう思える描き方も好感なら、これで諦めるでしょうというアンジェリーナに、諦めないから、賭けてもいいというミズキの信頼と、それに応えたカイト、という描き方もステキ。

そんなカイトの奮闘を、A-TECを見限って去ったものの放っておけずに陰ながら見守ってきた仲間たちが戻ってきて、それがみんなが一番つらい時に見限って去った者達とは思えないしゃあしゃあとした態度だったけど、そう描くことに自覚的であったことが残された者達の「俺達のがえらいのに…」と口をとんがらせた様子で伺えて救われたし、それがあったからああ、照れ隠しなんだな、と思えた。みんないい子たちじゃないの。

労組での活動が失敗に終わってから二週間後、そういえばA-TECどうなった?というナギサにさあ、そういえば…と返すアンジェリーナと、間が抜けてて可笑しいんだけど、それだけ忙殺されていた、とも受け取れる。それより、その2週間の間に、A-TECが設備を揃えていたことが驚きで、どうやったの!?というアンジェリーナと同じ目線で驚けて、またこれが「5億の稟議が通らないなら2千万の稟議を30回出して通した!」というのが良い。頭使ってる感じが凄く。

アンジェリーナは服部花子さんという名前らしく、どうやら「服部」もそうだけど「花子」が凄く嫌らしい。なら今後はハットリくんと呼ばせてもらおう。

5億分の稟議の件で…と寄ってきたナギサに、もう使っちまったからな!今更…と返すカイト。しかし咎めるでなくいい稟議だ、これなら通さざるを得ない、という流れが熱くて、ここで「YAH YAH YAH」が流れたらもう完全にトレンディドラマだねwナギサの動機とカイトらA-TECの動機が重なって、共闘路線になる未来が見えてきて期待が膨らむ。

フィクション的かつマンガ的かつドラマ的な展開とキャラの言動とが、そのやりとりと見事に噛み合ってる上に、置かれた状況を可笑しくもっていくポジティブな描き方が、キャラやストーリーを溌溂とさせていて、観ていてワクワク楽しい気持ちになれる。お見事。