アニメられる日々

アニメ感想ツイート保管庫(暫定

俺物語!! 16話

気持ちにためらいが生じた結果、「人間的に好き!」の曖昧な告白から、猛男と師弟関係になってしまった西城。猛男にくわえて大和さんもまた、「人間的に好き」を額面通り受け取ったために、猛男と大和さんとのデートに友人のスナと弟子の西城というおかしな面子で行く羽目になる様子が可笑しい。

そんな誤解まみれのデートでも、猛男といっしょに居たいからついて行くし、学校行事で一緒に行動することになればそれも楽しい。でも猛男に彼女の存在がちらつくたびに切なくなる…そんな状況は辛くない?今後もっと辛くなるよ?とスナ。その後押しを受けた西城が行動に出る。

猛男が携帯につけてる大和からもらったアクセサリーを不倫防止だと遠回しに猛男に投げかける西城。「俺はモテないから、なんとか(大和さんを)安心させてやりてぇなあ…」という猛男に、そんなことはない!とでも言わんばかりのタイミングで、勇気を振り絞って出した「師匠…好き…」のか細い声、この演技は圧巻。その瞬間、曇り空の切れ目から夕日がさぁーっと教室内に差す画もまた…。

おう!(人間としてだな)と誤解を続ける猛男に、はっきりと男として好きなの、彼女になりたい!と伝える西城。今度は曖昧にしない、逃げない、結論を出す、という決意が胸を打つ。

俺はモテないからな、と散々自分にも周囲にも言ってきた猛男の前に、大和さん以外で初めて異性として好きだと言ってくる子。ダメだとわかっていても、自分の気持にけじめをつけるために行ったいわば精算、その心中を思うといたたまれないが、その気持に応えることが出来ない猛男の心中をも思うとまた苦しく。

「彼女がいるからしょうがないね」と言う西城に、「違う、大和が好きなんだ」と猛男。もし彼女が居なければ、とか、大和さんが居なければ、というたらればに意味は無い。今、猛男は大和が好きなんだ、その事実は仮定では覆せない、と。これは完全に西城のつけ入る隙がなくて、未練を断ち切るには最高の言葉だったと思う。最後まで西城を思いやりで包んでくれた猛男に、寄り添うことは永遠にできないんだ、という事実は彼女には辛いと思うけども。

その後、大和さんのところへ駆けつけて、「俺はモテないから安心しろ」と言い聞かせてきた猛男が、俺はモテないって言ったけどそんなことはなかった、でも俺がモテたとしても俺には大和だけなんだ、だから安心しろ、とこの上ない言葉を大和さんに送ることが出来た、という流れが素晴らしく。

大和さんから見れば、猛男はモテないから大和の告白を受け入れた、と取れるので、ここでようやく猛男が自分を選んでくれたのだ、と確認できたことになる。信じていたとは言うけども、やっぱり不安だったんだ、というところが、この結末をより良いものにしてくれている。「西城さんに悪いって思わないよ、西城さんもウチも、一生懸命戦ったんだと思う」この台詞から、大和さんはおそらく、西城の「人間的に好き」は建前だ、とわかっていたのかもしれない。内心戦々恐々としながら、猛男が信じる西城との師弟関係を見守ってきたのだと思うと…。

いい人たちの行動のすれ違いから生まれる物語、今回も見応えある一話だった。西城にも幸せになって貰いたい。

猛男の好きな人に告白されたスナがそれを断ってきた理由が、そういう子が猛男に対して偏見を持っていたこと、というのを考えると、西城さんはどうだろう、と思うんだけど、今それを言うのは違うような気もするので口チャック。スナもはよ幸せになるのだ!