アニメられる日々

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ガッチャマンクラウズインサイト 6話

ゲルサドラが首相となって、さっそく大鉈が振るわれる。戦争はダメだから防衛費はカット。議員も無駄だからゲル以外は全て解雇。その他ゲルが無駄だとしたものは全てカットして、その分医療・福祉・教育に回す。国会は公園で行い誰でも参加可…。

まず独裁が前提にないとこれらすべて実現不可能なんだけど、ゲルが首相になる前に独裁を許す下地が出来てたって事かしら…恐ろしい…。ままそこんとこ面倒な手続きは物語を急展開させるために端折ったんだろうけど。

にしても国民の大多数があまりにも無警戒でないかと思うんだけど、これはそういった層への挑発だろうから、故意にそう描いてるんでしょう。

ゲルの政策、ともかくなんか良さげではある、減税に福祉にと恩恵も授かるし、いいんじゃないの、と、良く見えるからかえって恐ろしい。皆で一つになる、というスローガンの不気味さも含めて。

今回は、ゲルを連れて実家に戻ったつばさがこれまでのゲルとの行いを熱弁していると、ゆるじいが問答を挑む件がシビれた。

平和とは何だ、心が通じ合えばひとつになれるのか、心がひとつになれば平和になるのか、心がひとつになれば争いは起きないとそう思わない者が出てきたらどうする、気安く戦うなんて言うな…。

仏壇の遺影が物語るように、皆がひとつになる、というスローガンの危うさを、戦争を通して経験したであろうゆるじいの言葉のひとつひとつがずしりと重い。またその演技が素晴らしい。

今回はもうひとつ、呼吸が象徴的に盛り込まれていた。つばさと同じリズムで呼吸するゲルが、はじめのゆったりとした呼吸に戸惑うシーンが特に印象的。処理能力に優れ、またネットを活用することで物事を加速的に進めていくゲルはコンニチの世相のめまぐるしい変化の象徴か。現代人は急ぎすぎる、ゆっくり深く呼吸するように考えようという制作側のメッセージがゆるじいとはじめに込められてる様子。本作の正解はそこにあるんでしょう。

呼吸のリズムでハッとなったけど理詰夢ってそういう…いやそれがどう絡んでくるかはわからないけども。

ともかくガッチャマンが出てこない。完全に政治・思想・時事アニメになってるけど面白いから困る。どう展開していくかもまるで見えてこない。ワクワクするねえ。