アニメられる日々

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ガッチャマンクラウズインサイト 7話

みんなを一つに、と邁進するゲルサドラの表情に疲労の色が見え始めた頃、J・JがGメンバーを招集し、不穏な予言を告げる。

いくらなんでもそこまで民衆って愚かじゃない、と思いたいし腹も立つんだけども、本作は移ろいやすく流されやすい民衆に対する風刺であり挑発であると思ってるので、ドラマというよりも啓蒙を含んだお伽話ということで納得することにする。おかしいぞ、と思う者があまりにも少ないのは引っかかるけども、少ない話数で「みんなが一つに」の末路を描こうと思ったら強引にならざるを得ないんでしょう。

つばさは知識はないけどもそれを問題とは思っていないどころか、だからこそ自由で柔軟で斬新な発想ができると思い込んでいる、行動力のある無知の典型で、こういう人居ないだろって笑えないところがなんとも辛い。僕個人の経験から言うとこういう人をけっこう見てきた。余計な話ではあるけども。

ゲルサドラ自身は良かれと思ってやっているというところがまた切なく、つばさの一方的なゲルサドラへの思いが結果的にゲルサドラを苦しめることになっている皮肉。こうも無邪気に暴走していると、取り返しがつかなくなった時のつばさも心配になってくる。

J・Jの予言がまず面白い。「真紅の~」はゲルサドラで、「優しい獣」はフキダシから生まれた床屋のサインポールみたいな配色の化物だろう。床屋のサインポールみたいな配色は、目まぐるしく変化する人の気持ち・主義主張・価値観などを表しているよう。

綺麗事ばかりに見える世界で、まるで本作の「正解」のようなキャラであるはじめが、悪意の塊であるカッツェを相対化の材料としてるところも面白い。これは前作で理想的に過ぎたことへの配慮だろうか。理詰夢と累とがどう行動に出るのかも含めて、毒をどう使っていくのかが見もの。