アニメられる日々

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乱歩奇譚 Game of Laplace 8話

パノラマ島で建設中のテーマパークで起きた怪人二十面相による殺人事件・後編。

犯人はコモダ建設従業員のヒガシコウジさんで、友人を過重労働で死なせた責任をコモダらに追求したところ、逆に辱めを受けてテーマパークのマネキンのモデルにされた恨みからの犯行、ということだけど…いくら世間に広く知って欲しかったとはいえ動機と犯行内容がどうにもしっくりこない。完全犯罪を目論むならトリックを使うのも納得はできるけど、ただ殺して恨みを晴らすことが目的ならここまで凝る必要はなかったと思うけど。

個人的な性的嗜好を芸術と称することの気持ち悪さへの言及があったけど、これもヒガシコウジさんの個人の気持ちとは思えなくて、まるで論客の批判のように思える。そしてこのエピソードの、私的な嗜好を芸術と履き違えることへの批判は、そっくり制作サイドにブーメラン的に帰ってくるんじゃないか?と不安になる。「乱歩奇譚」はそうじゃない、と胸を張って言えるのだろうか。挑発的な画作りとメッセージに齟齬がみられる。どちらかに腹を決めて思い切り良く踏み込んで欲しかった。

謎解きもなければ劇的な盛り上がりもなくトントンとパノラマ島事件が解決すると、こっからが本題です的にアケチの過去話から怪人二十面相の登場秘話が始まる。この話のためにヒガシコウジさんの犯行の背景が削がれたと思うと不憫でならない。ともかく、怪人二十面相はアケチの友人のナミコシ君が天才的な数学力で作り上げた誰もが模倣したくなる都市伝説です!ということで、これもガックリときた。怪人二十面相が模倣され続ける説得力に「天才的な数学力」を持ちだしたところがもう悲しい。初代二十面相が誰もが模倣したくなるセンセーショナルな犯罪を成して未だ未解決・当人の行方も知れず…でいいじゃないのと。

ここから今後これを起点に物語が進んでいくとちと辛いかもしれない。ガラッと雰囲気を変えてくれるといいんだけど。