アニメられる日々

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ガッチャマンクラウズインサイト 9話

「くうさま」が人を喰った。彼らは「空気」であり、「空気」に馴染まないものを排除する。そのことに気づき動揺するGメンバーたち。

くうさまが「人を喰った」という事実が明らかになっても、その恐ろしさに頓着しない人々、というのはいくらなんでもそこまで愚かかねえ、とは思うけども、なまじリアルに人々の思想信条や価値観を多様に描くよりも、より印象は強くなってて、本作は啓蒙を多分に含んでいるから、お伽話的にシンプルな方がメッセージの輪郭がくっきりするのでしょう。その狙いはズバリだと評価したい。

くうさまの恐ろしさ…「空気」という同調圧力の恐ろしさが、排斥の対象が規律や安全や生命を脅かすはっきりとした悪だけでなく、ほんの些細な全体との相違にも向けられるところにあって、それが人々のあらゆるシーン、あらゆるシチュエーションのなかでで実に見事に表現出来てた。

ストーリー的には、くうさまによって累が堕落している時に、期は熟したとばかりに出てくる理詰夢が不気味ながらかっこ良くてゾクゾクする。善行!善行!と宣いながら人様を棒で殴るような無自覚な悪がほんと大嫌いなので、それなら悪を自覚する者が猛威を振るってたほうがまだ幾分心安らぐ。悪を歓迎するのもおかしな話だけども、くうさまは邪悪過ぎて心の臓に悪い。

理詰夢は堕落した累からクラウズを取り上げて、赤クラウズでくうさまを一掃するんじゃなかろうか。J・Jの予言から、ゲルサドラはフキダシまたはくうさまが力の源になっているのではないかと思えるから、くうさまが一掃されたらゲルサドラも弱体化するかもしれない。同時に、くうさまを失うことで、「空気」を法としていた人々が本当にサル化するんじゃなかろうか。いやーますます面白くなってきた!

つばさちゃんがくうさまの実態を目の当たりにしてこれはおかしい、と立ち止まってくれたのも良かった。そうでなかったら評価は変わってたかもしれない。失意の帰郷となったつばさちゃんにゆるじいがどう接するかも見もの。