アニメられる日々

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のんのんびより りぴーと 10話

補助輪自転車でごきげんなれんちょんが越谷家に遊びに行くもなっつんたちは留守。かわりにこのみと遊ぶお話と、みんなで自転車で遠出しようという話になるけどれんちょん補助輪だときついんじゃない?となって、れんちょんが補助輪卒業に挑戦する、というお話。

前半は、このみと遊ぶつもりがこのみに遊ばれるれんちょん、というエピソードがほんわか楽しく。このあたりは見たまんま身を任せて楽しんでいられるエピソードであった。

今回は後半の、れんちょんが自転車の補助輪を卒業するまでのエピソードが素晴らしく。ねえねえに頼んで補助輪を外してもらったものの、ねえねえは用事があるから練習には付き合えないと。ひとりで練習したら危ないよ、だけでなく誰かにお願いするん!と言ってもちょっと心配そうなかず姉の様子が好感。

翌日、駄菓子屋に練習見てもらおうとお願いするも、仕事中だから夜までは無理だということで、じゃあ見てるだけでいいん!と店の前で黙々と練習を始めるれんちょん。ここは最初は店番しながらぼーっと様子を眺めてた駄菓子屋が、れんちょんがコケる音を何度か聞いてだんだんそわそわしてくる様子が微笑ましく。黙々と練習するれんちょんに、そわそわしつつ時々声をかけたりしながら、それでもれんちょんの自主性を尊重して見守るに留める駄菓子屋と、ふたりの光景が、緩やかで穏やかだけどもドラマチックでもあった。

その翌日だろうか。宮内家に注文の枕が届いたと電話する駄菓子屋が、れんちょんが風邪を引いたと知り、そわそわした挙句に店を閉めてれんちょんのお見舞いに駆けつける件が可笑しくも温かく。いざとなれば店も閉めれて、その「いざ」のレベルがれんちょんの風邪、というあたりがなんとも良い。駄菓子屋のれんちょんに対する愛着は、前期の10話、駄菓子屋がベビィれんちょんの世話をするエピソードが効いてる。

れんちょんが心配で店閉めて駆けつけてきた駄菓子屋をからかう、先にお見舞いに来てたなっつんがまたウザかわいい。同期の他のアニメの子といい、憎まれ口が愛らしい声…。

絵本を読んで!とせがんでまだまだ子どもだな…と思ってると絵本の先をズバズバ読んでいってどんだけ読み込んだんだ…と年月を感じさせるちょっとしたシーンや、うたた寝して起きた駄菓子屋が誰かがかけてくれた羽織りに気付いてかず姉にお礼を言うと、それうちがやったんじゃないけど、で察して、間があっての「そっすか」がまた良かった。絵本を読んでくれというくらいにはまだ子どもだと思ったけど、これくらいの気遣いは出来るくらいには大きくなったのか…とでも思ったのだろうか。多くを語らないことでじわりと染み出してくる味わい。

風邪が治ったれんちょんが駄菓子屋に行く。店を閉めてバイクのメンテをしていた駄菓子屋がれんちょんの自転車の練習に付き合ってあげる事に。ここの描き方がまた良く、押してあげては転び、また押してあげて…時には涙するれんちょんの様子を挟み、日が暮れ、何度目かの挑戦で、駄菓子屋の補助なしでの走行に成功するれんちょん。画面右側で駄菓子屋の下を離れたれんちょんが画面右側へ捌けて行き、夕暮れを背景に画面右で佇む駄菓子屋。雛の巣立ちのような子の親離れのような、一方の旅立ちと一方の別れを思わせる、祝福と寂しさが同時に押し寄せる印象深いシーン。間をたっぷり使って、多くを語らない演出が効いてる。

大きくなっても絵本を読んで欲しいとせがんだかと思えば、寝てる駄菓子屋に羽織りをかけてあげる気遣いができるくらいには大きくなったかと思えたり、補助輪を外して駄菓子屋の下を離れていき、どこまでもいけるん!と思えても、棚のグミをとるには駄菓子屋の手を借りる必要がある。ひとつ成長して、でもまだまだ子どもで、そんなれんちょんと駄菓子屋との光景がときにぽかぽか温かく、時にドラマチックに心揺さぶる良エピソードでした。