アニメられる日々

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Charlotte 13話(最終回)

能力絡みの悲劇に終止符を打つべく、世界中の能力者たちから能力を奪い取る。孤独で過酷な旅路、有宇は次第におかしくなっていく。

最終回でこれまでの物足りなさが埋められるだろうか、と不安と期待を抱いていたけども、やはり厳しかった様子。枠内に収めるのが困難であれば、旅の中で便利な能力を得ていく過程はさほど重要でないのだから、省いてたとえば道中で出会った治癒能力で町医者をしている子から能力を奪うべきかどうか葛藤するほうに時間を割いても良かった。これだけでも1話かけてもいいくらいのボリュームは得られそうではあるので、尺が足りないのが悔やまれる。あと、旅のなかで日本で待つ友人たちとの会話にも時間を割けてれば印象は違っていたかも。OP歌詞「Bravely you」にある「わたしが信じたひとはそんなひとだっけと声がしたんだ」ここを回収できてたら…。

最後の能力者の能力が「勇気」だったのは味わい深い発想。それだけに、淡々と展開していったのも惜しい。こなすのがやっとで雰囲気が作れていない感。また、有宇が致命傷に思える傷を負って、それでも帰らなきゃ…と這いずるところ、ここも暗転してそのままベッドの上で目覚めるか、余裕があれば走馬灯あるいは三途の川的な映像を挟んでも良かったと思うんだけど、有宇…死なないで!必ず帰るんだろ!と拳を握ろうとしたとこで救助のヘリが颯爽と現れちゃったもんだからあっ助かった(ポカン)てなっちゃった。

最終的に、熊耳は助からなかったわけだけども、悲しい死にもドラマを用意して意味付けという救いを与えてきたこれまでの麻枝准関連作品と比べるとやはり不憫ではある。彼にも救いはあったのだ、描く枠が足りなかったのだ、と納得することにした。

ひとつ良かったのは、奈緒のくれた単語カードが支えとなる様子を道中で描いたところ。過酷な旅から帰ってきて、奈緒と再会するシーンでそれが効いていた。このルートで消滅した、有宇によって兄が救われたのに匹敵する積み重ねがあればより効果的だったけども。それは有宇の過酷な旅での行動になるはずだったんだろうけど、そう思うとやはり駆け足で描かれたのが悔やまれる。道中の有宇との電話でのやりとりなどで彼の旅の過酷さを知るとか励まし合うとかそういうのがあればもしくは…。

結末としては期待した通りになってよかったけども、過程の積み重ねが足りなくて心揺さぶられるまでには至らなかった。惜しい。

 

総評

乗り移りの能力を悪用する主人公を、独特のセンスから繰り出されるコメディで追っていく冒頭に、Angel Beats!はじめ麻枝准作品に共通する魅力を感じて期待したものの、回を追うごとにこれは尺に収まるのだろうか?と不安を覚えるようになって、終盤になるとその不安が現実のものとなってしまった。

膨大な量のシナリオを枠に収めるのに苦労したというインタビューを真に受けると、構成で失敗したのではないかと。本作には「シリーズ構成」という役割がクレジットされてないので、そこは監督が担っているのだろうか。犯人探しをしてもしょうがないのだけど、描かれたものがすべて、とどうしても受け取れず、諸事情で描き切ることが出来なかったのだ、と思いたい。そのほうが幾分心穏やかでいられる。

話数でいうと、7話「逃避行の果てに」、8話「邂逅」が一番のお気に入り。

 

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この2話には麻枝准作品の魅力がぎっしり詰まっていた。