アニメられる日々

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がっこうぐらし! 12話(最終回)

現実を受け入れて、皆を救うべく放送室へ向かうゆき。しかし後一歩のところでゾンビに囲まれて…。

絶体絶命のゆきを救う半ゾンビ状態の太郎丸。その太郎丸の、正気の頃の思考からの行動が、校内放送で下校を促すというゆきの機転に繋がる上手い段取り。

現在の拠点である学校の設備がもう持たないという状況から、つぎの拠点を探そうというのを「卒業」、めぐねぇが避難場所を記してくれていたのを「進路指導」、その場所が大学と企業にわかれるところから「進学か就職か」というアイディアがユニーク。ソンビの謎の鍵を握っているらしい「ランダルコーポレーション」と、その近隣に位置する大学。いずれの道を選ぶにしても、観ごたえある展開になっていきそう。

卒業し、めぐねぇの車で学校を後にする、その車内でみーくんが、すれ違いに学校に入っていく女生徒のゾンビを目にする。それが圭だった、という事実が辛くて、直後に陽気なOP曲が流れたのはちょっと気は削がれたけども、状況を打破すべく勇気を出して外に出たことでみーくんの背中を押した圭が、ゾンビとなって学校に帰ってきて、黒板のメッセージを見たときの心情…というものが未だあるのかわからないけども、それを思うと切なくなる。

最終回の冒頭で窮地を脱する展開を持ってくるところや、卒業までの一区切りをつける潔さ、Cパートで見せる次期への期待など、物語としてのけじめと商売っ気を上手く両立させている。太郎丸とともに埋葬したはずのゆきの帽子が暴かれてて、そこに映る犬の後ろ姿は、もう一匹の犬なのか、それとも…。風船とともに飛ばしたメッセージを拾った女生徒は?大満足の視聴後感とともに、今後への期待も沸き上がってくる。

 

総評

視聴前から話題になっていたのである程度身構えて履いたんだけども、日常系アニメのなかでもすごくベタで退屈な導入にすっかり油断して、またこれはちょっと合わないかな…と思っていたんだけども、退屈なまでの日常の光景が一転、凄惨な廃墟でのサバイバル生活であったことが明らかになり、目の覚める出だしにぐぐっと前のめりになった。

ゾンビが跋扈する過酷な環境で孤立する少女たち、学園生活部の日々、ゆきの目で見る妄想の「平和な日常」と俯瞰で見るサバイバル生活とのギャップがユニークだし、なによりゆきの見る「平和な日常」に作り手の啓蒙など含むところが込められていなくて、過酷な生活を生きていくための希望・かけがえのない思い出・帰るべき場所として描かれているところが好感。かつての「平和な日常」をかけがえのない思い出として「勇気」の源とし、「過酷な運命を生きていく」。こういうのに僕は弱いのだろう。

本作は情報の隠し方や順序だった出し方が素晴らしく、先の見えないスリリングな展開はホラー映画にも匹敵する見事な出来栄え。毎度ハラハラドキドキ楽しませてもらった。次期もぜひ観てみたい。