アニメられる日々

アニメ感想ツイート保管庫(暫定

青春×機関銃 総感

 可愛らしい男の子が主人公…と思ったら女の子。自分のことを「タチバナは~」と言うとことか生真面目な言動が可愛くて、そんな立花がなんだかんだでサバゲーの世界に巻き込まれていく、コミカルな展開に1話目から引きこまれていった。

玩具であるトイガンでの迫力の演出に自信がないのか、サバゲーモノは描写が実銃のように過剰になりがちだけども、本作も同様に過剰な演出。ただ、本作に限ってはその過剰なゲームのシーンと、それに歩調を合わせるかのような過剰なリアクションが、1・2話までのコミカルなエピソードでビシっと決まっていた。

3話以降からシリアス色が強まっていくと、サバイバルゲームに興じる面々という実際の状況と、描かれる深刻さとのギャップに馴染めず、でもつまらないということもないので一応楽しめはするんだけども、どうにもその深刻さが居心地悪かった。

その深刻さにようやく馴染んできたのが10話くらいで、もう慣れたしと思ってたら11話・12話は時折ユーモアを交えてきてバランスが良くなって、結果的に満足のいく締めくくりとなった。

本作の個性的なキャラやストーリーの背景は、シリアスには向かない…というかコメディ作品のためのそれだと思うので、深刻に話を進めていくのは非常に勿体無い。

映像演出は申し分ない出来。本作が初監督となる中野英明さんは、いち演出としてクレジットされてる作品でもこれはどなたの担当なんだろう?と興味が湧くくらい特徴ある演出をされる方。本作では、画面の奥行きがぐうんと広がるような演出が印象的。「夜ノヤッターマン」を思わせる演出も多々。特に気に入ってるのは、2話の、友情の印にと自身で描いたSM漫画を雪村にプレゼントされた立花が、それをゴミ箱に叩きつけて颯爽と去っていくまでのシーン。あれは最高だった。

ストーリーとしては馴染めないところも多々あったけど、目で楽しませようという工夫が感じられて、演出が好きなんだろうなあとさえ思えてしまう、観てて嬉しくなる作品でした。