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空戦魔導師候補生の教官 総感

奇妙な盛り上がりを見せた「聖剣使いの禁呪詠唱」の稲垣隆行監督作品とあって、放送前からこちらも話題に。もっともあまり褒められた取り上げられ方ではなかったけども、苦しいながらも楽しませようという工夫にあふれた「聖剣使いの禁呪詠唱」に好感を抱いた身としては、今回は万全の体制で真っ当に評価されて欲しいという期待を抱きつつ本作に望んだ。

蓋を開けてみれば、「聖剣使いの禁呪詠唱」よりは安定はしているように思えるけども、やはり苦しい出来。ただ、楽しませようという工夫は今回も見られて、それは街並みや衣装や小物のデザインだったり、その世界を表現するためだけに生まれたかのような雰囲気を引き出す劇伴だったり、コミカルなシーンでの絶妙なSEのチョイスだったり。そして、これは狙い通りなのか苦肉の策なのかはたまた全く意識してなかったのか、キャラがコミカルなシーンでデフォルメ化されたり目が丸になったりバツになったりせず素の表情であったことが、絶妙に可愛らしさを引き出していた。

魔甲蟲の脅威により地上から空中都市へと拠点を映した人類・その中の空戦魔導師たちが魔甲蟲の脅威と戦う、という背景の中で、その空戦魔導師の候補生の中の「落ちこぼれ小隊」、E601小隊の奮闘を描いた物語。そこに新味はないのだけども、まずE601小隊が「落ちこぼれ小隊」と影でささやかれる理由が、実力があるのにそれを隠して振舞っているのでも、実力があるのに本気を出さないでもなく(リコはそうだったかもしれないけど)、ミソラ・レクティ・リコの3人が傍から見ててもあきらかに抜けているから、というのがもうたまらなく。本人はいたって真面目だけど空回りする熱意が可笑しいミソラ、その空回りに寄り添い事態をかき回すレクティ、実力があるのに日和見を気取っておどけてるように見えるけど、実は本気で全力で怠けたいだけ、というのを隠そうともしないリコ、それぞれの掛け合いがすごく微笑ましくも可笑しかった。

E601小隊の面々が愛おしい。「それだけ」なんだけども、格別の「それだけ」でした。