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アルスラーン戦記 総感

中世中東を舞台に、イスラムと十字軍がモチーフと思われる設定の際どさを、架空の国名と宗教名で上手くかわしつつ、民族や宗教や階級社会が生む争いの中で、主人公アルスラーンが自由と平等と平和を掲げて戦うという作品。

三国志演義を思わせる勢力図にキャラクターたち、双方の古き悪しき慣習や制度や政治的腐敗のなかで、それを変えていこうとする若者たちが立ち上がるという、歴史に学び今を考えさせるスタンスなど、そのそれぞれが田中芳樹さんのパターンで、そのパターンが踏襲されるたびに待ってました!と心躍る。アルスラーン戦記に関しては原作は未読だけども、たとえ内容に変更が加えられていたとしても、以上のパターンが過不足無く盛り込まれていれば、なるほど田中芳樹さん原作作品だ、と思える。

初回と比べて徐々に画的に精巧さを欠いていったけども、破綻することなく駆け抜けていってくれたのは有難い。ストーリーもダレを感じること無く最後まで楽しめた。

続編も期待したいけども、ひとつ気になるのが魔術師っぽい第三勢力の存在。田中芳樹作品は第三勢力にとんでもない曲者をもってくるところがあって、それらが大暴れしてぐだぐだになることもしばしばあるので、それは気になるところ。原作も読んでないような者が気にすることでもないとは思うけど。