アニメられる日々

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すべてがFになる THE PERFECT INSIDER 1話

14歳で両親を殺害した罪に問われていたが、心神喪失で無罪となった後に孤島の研究所で研究をしている、という噂の真賀田四季博士。彼女を尊敬する国立那古野大学准教授・犀川創平は、その真賀田四季博士と実際に会ったという教え子・西之園萌絵の話に興味津々。そんな犀川に対し、蒔絵はちょうど話の上がっていたゼミ旅行を利用して会いに行こうと提案する。

森博嗣さんの小説のアニメ化。氏の小説はいくつか手にとって読んだのだけど、シリーズになってると知らなかったものだから、S&Mシリーズ第一作にあたる本作は未読。ウカツ!もっとも、氏の小説で一番興味を惹かれたのはキャラの独特の思考や言動で、その源は作者にあると考えてエッセイの方を手にとってそっちのほうに夢中になっていたのを記憶している。それももう10年以上も前の話か…ともかく、工学博士ならではの知識に教授としての立場、鉄道模型や自動車などの趣味、ライフスタイルなど諸々を含む森博嗣さんという人物そのものがユニークで、彼自身が溶け込んだかのような作品世界もまたユニーク。個人の視点・観点に、僕にはこう見えるなあとでもいうような彼の見る世界を共に見る、お気に入りの教授の部屋にお邪魔して他愛もない話をしたあの頃を思いださせるような雰囲気が好き。なるほど、読者は犀川や蒔絵と同じ部屋にいるのだなあ。

さて、アニメのほうだけど、蒔絵が恋する女性であることが冒頭で一発でわかり、それでいて説明でなく描写・光景でハハァンと理解できるようになってる。犀川の尊敬する真賀田四季博士という女性が気になって会いに行ったり、犀川に会いに来た女性に嫉妬してみせたり…そういう様子がさり気ないからすっごい可愛い。それでいて、ゼミ生が頭使ってない、頭の中は色恋ばかり…という国枝の言葉を気にして、犀川に食事に誘われたのにしっ下心じゃないし!とでも言わんばかりに場に居座るとこもまた…。国枝は国枝で、蒔絵の心情を察してる様子でいやそれはそれ、これはこれだから…と言わんばかりに「(早く犀川と食事に)行ったら?」と促すと。いいねえ面白い。面白い面々。漫画的に親しみの湧くキャラたちにユニークな性格付け、そして説明より描写や光景で語らせることでポップでライトな雰囲気に渋みをもたせている。

森博嗣作品をさほど多く読んだわけではないし、読んだのももう10年以上前の話で記憶がおぼろげだけど、あの頃何に惹かれて手にとったのかを思い出しつつある。雰囲気あるアニメづくりの手際も良い。これは面白くなりそう。