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アニメられる日々

アニメ感想ツイート保管庫(暫定

血界戦線 総感

かつてニューヨークと呼ばれた、異界と人界が交差する街、HL(ヘルサレムズ・ロット)。取材で訪れていた新聞記者レオナルド・ウォッチは、ザップの人違いにより秘密結社ライブラと関わることとなり、HLならではの様々な事件に巻き込まれていく。

本作は基本1話完結形式の原作に、ホワイトとブラックに纏わるエピソードなどオリジナル要素を盛り込んだとのこと。ちょうどカウボーイビバップで言うスパイクとビシャスのエピソードのように、1話完結形式の作品に一区切りをつける目的か。

ニューヨークを舞台にしたことが、ストーリーの中で効果的に作用するよう配慮がなされている。異界の者と人々が共存しているとはいえ、つねに危険と隣り合わせであるというリスクを抱えながら、それでも軽口を叩きながら前向きに生きていく人々の姿は、我々が…少なくとも僕が憧れたアメリカの気質そのもの。建国の歴史に様々な混乱がありながら、一応の落ち着きは取り戻し、様々な人種・宗教・価値観が共存しながら自由を謳歌している(ようにみえる)アメリカに、僕がみる憧れそのものがHLにもある。内面には様々な問題、苦しみや悲しみ、怒りを抱えながら、なんともねえぜ!と陽気に振る舞う姿は、「光に向かって一歩でも進もうとしている限り、人間の魂が真に敗北することなど断じて無い」と言うクラウスの気高さと通ずるものがある。

「異界の存在」の気まぐれで兄妹どちらかの視力と引き換えに、どちらかに「神々の義眼」を授けるという究極の選択で、自分をかばって視力を失った妹…という悲しみ、大崩落の際に命を落としたが結界として延命されたホワイトと、妹を失った悲しみを絶望王につけこまれ、絶望王を抱えながら妹を延命させるために身を削るブラック…という悲しみ。その悲しみを、克服するでなく受け入れて、前を向いて強く生きていくのだ、という結末に至るのも、実によく配慮されてて筋が通っている。

惜しむらくは、感動をもたらすはずの結末までに、3ヶ月あまりの時間はクールダウンには十分すぎた。もちろん無理を押して突貫工事で作られるよりも、しっかり作ってくれるのなら待つほうがずっと良いではあるのでもどかしいところだけども。時間を作ってもう一度一気観するのも良いかもしれない。

「僕が好きなアメリカ」を、思う存分堪能できる画作りや雰囲気ある劇伴など、ツボの抑え方が的確で、目で耳で存分に楽しませてもらった。有難うございました、そしてお疲れ様でした。