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アニメられる日々

アニメ感想ツイート保管庫(暫定

櫻子さんの足元には死体が埋まっている 1話

北海道、旭川。高校生の館脇正太郎は、知り合いの標本士・九条櫻子と海に出かけ、浜辺で骨探しをする。彼女は骨が大好きなのだ。珍しい骨を見つけたら甘エビを奢ってやると櫻子さん、張り切った正太郎が探し当てた骨は人骨だった…。

骨のエキスパートという立ち位置で、刑事事件に関わっていくアプローチがユニーク。骨に纏わる雑学に、それ以外の洞察においても面白くなるよう詳細に描きこんでて見応えがある。骨さえ愛でられれば法など知ったことではないとでも言いたげな櫻子さんに、常識人として寄り添う正太郎とのコンビも相性抜群。さほど変化のない街でも悪くない、そう思えるほど楽しいであろう正太郎と同じく、観る者にとってもワクワクする、そんな気にさせてくれる櫻子さんのキャラがたまらなく魅力的。

時間が止まったかのように変化のない街で、でもさほど悪くない、と正太郎が思えるのは、この街には櫻子さんが居るからだろう。至って平凡な高校生の男の子が、轢死した猫を拾って弔うまでをできるのも、死の先に触れる櫻子さんをそばで見てきたからだろう。冒頭の、学園ラブコメが始まりそうな出だしから、ふっと大人の世界に足を踏み入れる。美しく咲き誇る桜の木の下で、骨を愛でる女性に美と死の共演という幻想的光景を見れば、掘り当てた人骨から事件へと巻き込まれる。「標本士・九条櫻子」なんてタイトルの2時間サスペンスドラマであってもおかしくないような骨組みに、少年という要素を肉付けして月9ドラマ調に華やかに仕上げてきた。実写ドラマのお株を奪う、アニメのドラマ作りにおいての、ひとつの集大成をみた。

起こった出来事の事実のみを文字に書き起こしてみれば、それは事実でしか無いのだけど、「劇的な心象描写」「劇的な映像」「劇的な劇伴」が事実を劇的なものにしている。これが劇というものなんだ!という感動で思わず涙腺が緩んだ。