アニメられる日々

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アイドルマスターシンデレラガールズ 25話(最終回)

様々な苦難を乗り越えて、「シンデレラの舞踏会」が無事開催される。これまでの経緯が無事ハッピーエンドを迎えた、いわば余韻のような回。そんな回の中で、美城常務から語られるアイドル観に、本作では主題とならなかった「選ばれなかった灰かぶり姫」というもう一つの物語が垣間見える。

おそらく美城常務は「選ばれなかった灰かぶり姫」のひとりだろう。華やかな舞台への階段を登ることができなかったからこそ、アイドルたちは特別な存在で無くてはならない。例えば卯月のような、およそ「特別」とは程遠い(と常務が思っている)子たちもアイドルとしての資格があるというのなら、なぜ自分は…という私情が垣間見えて味わい深い。アイドルは誰もがなれるものではないけども、だからといって一部の者だけが輝きを持ってるわけじゃないんだよと、選ばれなかった人々に向ける、選ぶ側の苦しい心情がよく伝わってくる。

これからも紆余曲折あるんだろうけど、彼女たちならきっと乗り越えていけるでしょう。そう思わせる綺麗な着地。あれっ終わったの?という空腹感はあるものの、彼女たちの物語はまだ始まったばかりなのだから致し方なし。気持ちよく見送ることにしよう。

 

総感

武内Pによるシンデレラプロジェクトという魔法で華やかな舞台に立った子たちという1期から、美城常務によるプロジェクト白紙撤回で振り出しに戻った子たちというスタートを切った2期。困惑しながらも各々が道を模索していく、それをシンデレラ物語になぞらえて画的にもストーリー的にも情感たっぷりに見せる手際が見事で、毎度視聴後に深い溜息をつくほど。特に1期から本作のメインであった凛・卯月・未央のニュージェネ絡みのエピソードは圧巻で、数話かけて語られたそれの細部に渡るまでの徹底した作りこみが素晴らしかった。

アイドルが多数存在する346プロを、欲張って全員描こうとするのでなく絞ったのが物語を描く上で好判断だった。出演する機会のなかった子たちのファンには申し訳ないけども物語としては文句無しの出来。別の子たちのエピソードもまた機会があれば是非観てみたい。