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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 6話

オルクス商会との一戦で案内役を失った鉄華団。次の案内役として、木星を拠点にする複合組織でありその実態はマフィアだと噂されるテイワズと交渉することに。

以上のことをオルガたちと相談していたクーデリアが、三日月らにその話を振るとまるでその事に興味を示さないどころか、自分たちの置かれた状況の政治的・歴史的背景も知らないことに驚かされる。それどころか文字の読み書きもできないと知りまたまた驚くと、三日月たちの知らなさに驚かされるクーデリアだけども、クーデリアもまたそんな三日月たちの現状をまるで知らなかったというところが南北問題をモチーフにいいところを突いている。そこから文字の読み書きができるよう勉強しましょう!という流れになるのも、文字を読み書きできない子たちが必要にかられて勉強したい!と集うところの説得力も、その直前に整備に参加したいけど文字を読み書きできないから手伝えない三日月というシーンが効果的に与えてくれている。情報処理技術の能力でオペレーターに起用されたフミタンと整備に参加したいけども出来ない三日月。ここでは誰ひとり自分の能力を超えた仕事が得られない。「糧」をテーマにした作品らしいキャラ設定と言動と結果のコントロールが見事。

エレベーター内にて、「じゃああんたが俺たちを幸せにしてくれるんだ」とクーデリアに視線を送る三日月。この視線に何かを感じて姿勢を正して「ええ、そのつもりです」と応えるクーデリア。このシーンは、後にオルガが大きい仕事に固執する理由を語るシーンで効いてくる。クーデリアがその振る舞いを三日月に試されてるように、オルガもまた三日月に試されているのだ。ふたりがなぜそれほど三日月の視線に緊張するのかというと、それはふたりが幸せにしたい人々、大切にしたい人々…その中で試すような視線を送ってくるのが三日月だからだろう。三日月の「敵」に対する冷淡さも知っていて、でも守りたい人々の代表でもあるからこそ、失望させてはならないと緊張する。人の上に立ち導いていく者ならではのプレッシャーが、三日月という人物をもってはじめて現実味ある描写となる。

派手なモビルスーツ戦こそなかったものの、人々の行動が厚みのあるストーリーとなって展開していく。本作におけるモビルスーツ戦は、アニメ「Selector」におけるセレクターバトル的なものなのかもしれない。