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コンクリート・レボルティオ 超人幻想 6話

神化44年10月。超人課を去った爾郎を追って風郎太はコミックバンド「マウンテンホース」のライブに訪れる。マウンテンホースのメンバーは、神化41年6月の日本武道館、さる伝説の「超人」ロックバンドが来日した際に、舞台裏で彼らとすれ違いざまにぶつかったことがきっかけで超人の能力が開花。そのことがきっかけでマウンテンホースは神化42年に超人課と関わる事件に巻き込まれる。

ビートルズ来日とドリフターズ。当時生まれていない僕でも知るところとなるほどの出来事だけど、これまでの流れのように今回もモチーフとなったエピソードを知らなくても物語の理解には困らない内容。とは言っても音楽史に燦然と輝くビートルズと、夢いっぱいで音楽の世界に飛び込んだ(かもしれない)のに食べていくために笑いのネタを提供していった結果、そっちのほうで人気が出てわが国の芸能史・お笑い史に燦然と輝く存在となったドリフターズ、その両者の違いと運命の交錯を踏まえているとより味わい深いエピソードではあった。

今回はこれまでのエピソードとは違って、ささやかな超能力と等身大の正義が紡ぎだす、親近感の湧く内容。音楽で食べていこうと思ってたけどとりあえずウケなきゃ食べていけないと笑いを取ることを良しとする者もいれば、それは違うんじゃないかと悩むものもいて、超能力を得て何かできるんじゃないかと思って行動してみたらそううまくはいかなかったり、各々の方向性もユニットとしての方向性もまとまっていないマウンテンホース。そんな彼らがひょんなことから芸能界の超人に纏わる闇に触れ、事件に巻き込まれる。「二流でいいじゃないか」というドンがそこで見せる意地と、仲間たちの共鳴が熱い。

東崎らの陰謀を阻止すべくマウンテンホースのメンバーが奮闘するも、その最中にディーが死亡してしまう。ここはその死に対するマウンテンホースの面々のリアクションがあっさりし過ぎていたのは違和感あったけど、ディーの死に東崎が動揺するという描写は良かった。良し悪しはともかく彼女には彼女の正義があった。なんでこんなことに…という切なさ。人は良かれと思って人を傷つけてしまうこともある。だからこそ「正義」を問う意義がある。

神化44年、マウンテンホースはディーの亡き後もコミックバンドとして地道に活動を続け、超人課を抜けて同志を集うらしかった爾郎は彼らを仲間に誘うに至らず、風郎太は超人課の任務を放棄して爾郎と距離を取り、マウンテンホーズの付き人として潜入していたあの頃に思いを馳せる。風朗太が「気安く(風朗太と)呼ぶな!」と爾郎に啖呵を切るのはそれから2年後のこと。今回はさながらその序章といった趣であった。