アニメられる日々

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櫻子さんの足元には死体が埋まっている 6話

友人たちに花火大会に誘われた鴻上さん。しかし友人たちと会場ではぐれてしまい、そのとき橋の欄干に女性が思いつめた表情で居るのを目撃する。

鴻上さんとその友人たち、チカとその彼氏・ケンにマナとその彼氏・トーマという面子での花火大会を、今回の謎の女性の事件を絡めたエピソード。

謎の女性が川に白い封筒を投げ込もうとして、それを見ていた鴻上さんが目の前を飛び去った鳩に気を取られた瞬間に女性は居なくなってて、かわりに白い封筒が落ちていたと。これは投げ込んだつもりが風でそこに落ちたのか、あるいは鴻上さんに気づいて慌ててその場を去ったのか…本作のこれまでを踏まえると鴻上さんの見た幻覚の可能性だって考えられてしまうのは痛い所ではある。と、ちょっと引っかかったけどもそこは重要じゃないので投げ込んだつもりが風で舞い戻ったんだと思うことにする。

白い封筒に入ってた遺書のような思わせぶりな手紙と指輪で、男女間のもつれでの自殺を匂わせるところがフリ。巡回に来ていた磯崎先生が鴻上さんと出会うことで巻き込まれることになるんだけど、深入りすべきでないという磯崎先生と放っておけないという鴻上さんのやり取りは、奇しくも今期放送中の「すべてがFになる」の犀川と萌絵のそれに似ている。だからどうということでもないけど。ともかく、今回鴻上さんに「最低」とまで言わしめる磯崎先生の振る舞いには理由があって、今後の伏線なんだろうというのが伺えるので、不快にはならなかったし、あんたがよくてもわたしは嫌なの!な鴻上さんの、人のエゴに対する居直りは、磯崎先生よりもはるかに成熟してみえて好感。

素性の知らない人の安否を気にかけているところで、チカとトーマの浮気を目撃する鴻上さん…ここを描くのは、人の思いの複雑さを描く意図もあるんだろうけど、批判的意味合いも多分に含んでるようにみえる。僕個人としては鴻上さんと同じ視点でまったくけしからん!プンスコプンスコ!となれるけども、ここは好みの分かれるところかもしれない。ともかく作り手の恋愛観がかいま見えたシーンだった。

事件の真相が自殺でなく、再スタートするための亡き想い人への離別だった、という結末が、前述の友人たちのエピソードと絡まる構図にはなってるけども、起きた物事だけを羅列するとなんとも切ないというか虚しいというか、世知辛いエピソードではある。それをポジティブかつクールに締めくくったのは櫻子さんだった。ニヒルな磯崎先生ではこうはならない。櫻子さんのエキセントリックなキャラが映えたエピソードでした。