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コンクリート・レボルティオ 超人幻想 8話

神化38年3月、国民的ヒーロー「天弓ナイト」が身代金目的で子供を誘拐する「大鉄君誘拐事件」が発生。その際、天弓ナイトは能力の暴走により死亡したとされているが、「天弓ナイト政府謀殺説」が囁かれるなど謎の多い事件であった。それから5年後の神化43年1月、天弓ナイトのかつての宿敵「ルシファーの瞳」を名乗る者による、天弓ナイトに纏わるコレクションを狙った窃盗予告事件が発生。天弓ナイトにただならぬこだわりを見せる爾郎であったが、本件は警察及び「少年探偵BL団」の管轄であるから超人課は関与しないとのこと。爾郎は独断でルシファーの瞳事件を追う。

天弓ナイトでふと「8マン」が脳裏をよぎったけど、そもそも「8マン」をよく知らないのでここは詳しい人の考察を待とう(他力本願)しかし「8マン」連載及びアニメ放送が昭和38年だから、なにかしら関連付けていそう。

本作は1話めからぐっとシリアスに正義とは何かを描いてきたわけだけども、そんな中でも遊び心あふれるユーモラスな画を見せてくれるのは嬉しい。今回も輝子や風朗太の挙動が可愛らしいシーンがそこここに。

今回は天弓ナイトのスキャンダルと「少年探偵BL団」の音無弓彦との因果に、天弓ナイトのファンである爾郎を絡めて、「正義」と「正義の味方」の違いを描きつつ、爾郎が超人課を離れる予兆も見せた回。また、わかりやすい正義と悪の世界に生きる大鉄君が、歳を重ねて気づいたはずのその概念の曖昧さから目をそらし「正義を貫く姿」(自分を正義と信じて疑わない姿勢)が、クズとなじられる爾郎の「正義を追い求める姿」(正義に疑問を抱きつつ正義を追い求める姿勢)を輝かせる構成に胸が熱くなった。

天弓ナイトの「大鉄君誘拐事件」の真相はわからずじまいだったけど、これがかえって効いている。天弓ナイトの優しさを記憶しながら、それでも身代金誘拐は悪である、だから彼が罪を犯した証拠を掴んで悪とし、彼を倒したいという弓彦…大鉄君の「正義」。それに対して、天弓ナイトが正義か悪かはわからないけども、彼が正義を追い求めるのなら自分は「正義の味方」になろうという爾郎。「大鉄君誘拐事件」の真相がわからないからこそ、視聴者はどちらかに肩入れすることなく天弓ナイトと大鉄君と爾郎の「正義」について考えられるような構造になっている。身代金誘拐事件の真相は、その後神化47年の大鉄君が「正義」を振りかざした後に開陳するとぐっと感慨深いものになるだろう。そこまで計算された構成だとしたら恐ろしいものがある。恐るべき構成力。