アニメられる日々

アニメ感想ツイート保管庫(暫定

すべてがFになる THE PERFECT INSIDER 10話

研究所のネットワークに存在する「ミチル」が真賀田四季博士であり、一連の事件の犯人であると確信した犀川。「四季」の誘いに応じ、萌絵とともにヴァーチャルシミュレーターで四季の待つ仮想空間へ。

すべてがFになる」の意味やシステムの隙を突いたトリックは、これまでの流れの中でのヒント通りのもので、今回はじめて明かされるトリックというものは無く意外とすっきりとしたものだった。もちろんこれまでのストーリーの中で犀川や萌絵が謎解きをしてきたから今回すっきり理解できたというもので、けっして容易では無かった。

15年ぶりに自室から出てきた真賀田四季と思しき遺体と殺された新藤所長、これらの事件の「犯人像とその動機」、ここがトリックよりも不可解でかつ興味を引く謎であり、そこが本作の一番与えたかった驚きの部分ではなかっただろうか。14歳の天才少女と叔父との危険な恋、その果ての凶行…15年前の事件を絡めつつ、しかしその当事者が殺されているという出発点が、犯人像と動機を巧妙に覆い隠していた。そして、そこに迫ること…真賀田四季とはいかなる人物なのかがそのまま事件の謎を解く鍵となり、物語の核ともなる構造となっていて、そこに集束するまでの、始まりから今回に至るまでの展開は絶妙であった。

真賀田四季というキャラの魅力は、天才的な頭脳を有するが世間とズレている…とか一般的な常識や道徳や感情を持ち合わせていない…というような単純なものでなく、真賀田四季には真賀田四季の感情があり、彼女自身の常識や倫理の世界があってそこに居る人なのだと思えるところにある。それは犀川も同じで、視聴者…少なくとも僕とは違う景色を彼らは見ている。僕と同じ景色が見えてると思える萌絵を手がかりに犀川を、そして真賀田四季を追う。一般的な倫理観や常識からくる罪悪感に苛まれながら、彼らの見ている景色の自由さ・奔放さに羨望を覚えもする。もっとも、彼らはそういう景色が「見える」というだけで、叶えることがまず叶わないのだからそれは不幸なのかもしれないし、それでも叶えたいと行動した結果が事件となったわけではあるけども、理想と現実との折り合いの物語を、ともすればドロドロと陰気になりがちな物語を、スマートに見せる文脈も画作りも素晴らしいセンスを見せてくれた。

僕は原作未読で、ネットでネタバレを踏んでしまってがっかりしたのだけど、どうやらそれとは違う展開を見せてくれたようでホッとした。もっとも「あっこれネタバレだ」とパッと視線を逸らしたのでよく読んでないのだけど、ともかく、事件の謎は解けたが、ここで終わらないというところは嬉しい。次回が最終回となるのか、シリーズ化の布石となることを期待したい。