アニメられる日々

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コメット・ルシファー 総感

ギフトジウムという鉱石をエネルギー資源とする惑星ギフト。豊かな星でありながら、その成長に限界を感じていた何者かの勢力が、進化の鍵となる新たな資源を求めて暗躍する。そんな中で、鉱石集めをしている少年ソウゴと友人たちが、その組織と接触し騒動に巻き込まれる。その過程で出会ったひとりの少女と、その少女・フェリアを狙う組織、フェリアの謎と追手の謎、そして世界の謎に迫りつつ、ソウゴとフェリアの交流と仲間たちとの冒険を描いた作品。

ファンタジーな世界の新鮮さを期待したのだけども、行政府軍とロボット兵器、とりわけガスらの凡庸さが、ギフトの景観や雰囲気から浮いてて、それがそのまま作品としてのちぐはぐ感につながっていたのは惜しい。エネルギー源として狙われるフェリアと狙う組織という設定自体は悪く無いと思うけど、惑星ギフトとその町並みの雰囲気を活かすような、雰囲気ある作りこみを敵側にもして欲しかった。

根本の設定から違和感を覚えるから、ガスやド・モンの物語とソウゴやフェリアたちの物語との温度差も拭えなくて、その違和感を最後まで引きずった。物語が駆け足に進むこともあったけども、時間をかけてたとしてもその根本が変わらなければ、同様の違和感を覚えていただろう。

本作で一番のお気に入りは、実直で情熱的で、ひねたところのないロマンのキャラ。カオンとの許嫁関係も、家柄にもカオンにもどちらにも筋を通しつつ、かつ自分の気持ちに正直に向き合いカオンに伝えたところが好感で、さらにそのロマンの想いを自分の恋路のノイズ的にあしらうことなく、ロマンへの認識を更新しその見方が変わるというカオンの態度も新鮮で、そんなふたりの想いが通じあったと思えるラストにはホロリときた。カプルみたいなロボットで健気に戦うロマンの姿も良かったねえ。

全体的にはもやもやの残る作品ではあったけども、楽しめるレベルではあったし、光るものもあった。輝く鉱石の埋まった鉱山のような作品でした。