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アニメ「Angel Beats!」はバッドエンドだった ~ Angel Beats!のハッピーエンドを考える

ニコ生「Angel Beats!」一挙放送いや~感動しましたね!僕は昨年のちょうど年末年始を利用して観た時が初視聴だったのでだいぶ後乗りです。AIRCLANNADもその後なので後乗りも甚だしいのですが(汗)

さて、今回の視聴で発見があったので勢いに任せて書きなぐってみようと思います。旧作なのでもうそんなの知ってるし!という声もあるかもしれませんがそん時は笑ってスルーして下さい。

アニメAngel Beats!はバッドエンドなのかも知れないな…とふと思いました。音無がかなでに「一緒にこの世界に残ろう」と言ったらループのフラグが立ってしまうと。嫌だ、消えないでくれ、そう願いながらかなでと別れた音無は、かなでへの未練を断ち切れず、いつまでもいつまでも悲しんでいたでしょう。そのうち彼女が生まれ変わり、また「この世界」に戻ってくる事を待つようになった。気の遠くなるような時間の中でおかしくなりかけた彼が、「AngelPlayer」を作り、自らNPCとなって彼女を待つことにした、かなでが再びこの世界に来たときに、自我を取り戻すように…というところまでは容易に想像がつきます。

もちろんループ説にも穴があって、かなでがまたこの世界に戻ってこれるのなら、音無だって戻ってこれるはず。ならNPC化した音無と死にたてほやほやな音無がバッティングしてもおかしくないことになる。かなでと別れたことの未練が救済されないと意味が無いので、残された音無のNPC化によるループ説を取る場合、そのへんは目をつぶらないといけない。ループ説を取らなければ、かなでを失った悲しみを後々納得した音無が消えておしまい、で済むのだけど、そうなると12話での「AngelPlayer」の真相のアイディアがまるまる宙に浮いてしまうので、昔そういう人がいただけで音無とかなでには全く関係ない話だから…で終わらせるにもどうにも居心地悪いものがある。いずれにしても隙の多い展開で、だからこそ解釈で荒れるのでしょう。

非ループ説のほうがスッキリはするけども、ここは多少強引でもループ説を取りましょう。岸監督が「あくまでも特定のループでの話」というように、本作はおそらく分岐系ノベルゲームの方法論で作られたはず。特定のループでの話だとすると、本作はバッドエンドと言っていいでしょう。ハッピーエンドはおそらく最終話Cパート、街中で出会うふたり…であるはず。なら、どうすればそこに辿りつけたのか。

ヒントは日向とユイのエピソードにあると考えた。事故によって要介護となったユイにとって、心残りは結婚して伴侶に介護してもらい、親を負担から開放することにあった。その思いに日向が真摯に向き合ったことでユイは消えることができたのだけど、ここで重要なのは、日向がユイに、「ここ」ではないどこかできっと出会うと約束したこと。ここが音無と決定的に違うところ。音無は「ここ」を去ったら二度とかなでに会えなくなると思っていた。だから「ここにふたりで残る」事にこだわった。これが、音無とかなでを分かつ原因だったのでしょう。そう考えると、音無とかなでのハッピーエンドへのヒントとして日向とユイのエピソードが立ち上がってくる。

もし音無が、かなでにここから消えても必ず会いに行く、絶対に会いに行く、絶対にまた出会える!と日向のように強く願ったのなら…。

おそらくそれが、Angel Beats!のハッピーエンドだと思うのですが、どうでしょう。そうだったとして、なぜそうしなかったのかはわかりませんが、麻枝准さんはおそらくバッドエンドを好まない、皆を救いたい!と強く願っている方と見受けられるので、心残りがあるとするならそれなのかもしれません。それが「Charlotte」につながるのだとしたら、そこでも熊耳というキャラを救うことが叶わなかったのですが、だとすると麻枝准さんの「報われない魂の救済」「報われない人々への勇気」を問う挑戦はまだまだ続きそうです。麻枝准さんを起用した作品を作るには、最低でも2クールは用意して欲しいですね。ともかく、多少飛び足でも心に突き刺さる、素晴らしい作品でした。