アニメられる日々

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僕だけがいない街 2話

悪しき出来事の起点となる時間まで遡り、運命を変えるきっかけを与えてくれる能力、「リバイバル」。これまで数々の小事件と関わり解決してきた藤沼悟29歳が、母殺害の現場を目の当たりにし、リバイバルによって遡ったのは19年前の昭和63年であった。29歳時の記憶を保ったまま小学5年生をやり直す機会を得た悟は、ここが母殺害事件の起点と考え、当時の記憶を頼りに未来改変に挑む。

ここまで来るともう声の演技への違和感はまるで覚えない。それどころか、本作の実写ドラマ的質感にうまく寄与していて、作品世界にぐぐっと引き込まれる。主人公・悟の年齢が僕とほぼ同じというのも個人的に効いてて、昭和63年当時の5年生になってしまった悟の戸惑いと、当時の感覚をなんとか取り戻そうという思考や言動の段取りに、観てるこちらがシンクロしてドキドキした。この感覚は同世代だからこそ得られるご褒美なのかも知れない。

悟の母・佐知子が殺されたのが過去に悟が巻き込まれた連続誘拐殺人事件の真相に迫った事が理由だから、虐待を受けているらしい同級生の加代、後に連続誘拐殺人事件の被害者となるこの子を救うことが鍵となる。誘拐殺人犯以前に虐待家庭の親と、29歳の意識を持っているとはいえ、小学5年生の身である悟には荷が重い。高いハードルへ挑もうとしているその緊迫感の演出が見事。

自活能力のない子どもたちが、大人の、しかも悪意に立ち向かうのは容易ではない。ここは悟の母・佐知子と、後に連続誘拐殺人犯として捕まる紙飛行機のお兄さんが協力してくれそう。悟の憧れであるヒーローをどこに見出すのか。過酷な現実に立ち向かう希望ある展開を期待したい。