アニメられる日々

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亜人 1話

17年前、アフリカの紛争地で「神の兵」と恐れられた、人の姿をした不死身の生命体「亜人」を米軍が捕獲に成功。今日までに亜人は全世界で46体、うち2体は日本で確認されている。そして現在、高校生の永井圭は、親の期待に応えるべく医大の受験勉強に励んでいたが、学友たちの間で囁かれる亜人の噂や学校での亜人の授業で、ふと昔、小さい頃、亜人のようなものに出会ったような記憶がよみがえる。考え事をしながら歩いていた圭は、信号を無視して道路を横断してしまい、トラックに跳ねられてしまう。多くの目撃者たちが見守る中で、無事では済まないはずの圭が立ち上がる。亜人の発見に凍りつく目撃者たち…。

亜人が人類の脅威として、高校の教科書に載るほどの疑いようのない事実として広く世間に知れ渡っている様子や、都市伝説規模の不確定な情報まで人々の関心事となっている様子を、主人公・永井圭の家庭事情や旧友・海斗との関係から圭という人物を説明していく流れの中でうまく絡めている。

母親にとって好ましくない海斗との交友関係を、母親の期待に添うように断ってきた圭、おそらくそれが妹の圭に対する不信にもつながっているのだろうけど、母の期待に応えるべくいろんなものを犠牲にしてドライになった圭、という段取りが、自身が亜人であると知った時の動揺の描写をより劇的に演出している。そしてひとたび社会のレールから外れると、それまで親しくしていた学友まで敵に周り社会から孤立してしまう。トラックに跳ねられた、たった一瞬の出来事で、傍観者であった人間が突然追われる身となる緊張感・スピード感。レールに乗っていた人間だからこそくる振り幅を、絶妙に活かした緊迫の展開。

社会の敵となってしまった圭に味方したのが、圭のご学友が亜人と嘲笑した海斗であった、というのがまた熱い。頼れる者はもはや海斗しかいない、そう思い携帯で電話する。母親から消せと言われた海斗の番号を、密かに保存し繋がりを保っていたからこその光明。それでもどこか半信半疑、こいつも裏切るのでは…という気持ち混じりに電話する。それでも海斗の真っ直ぐな声に勇気づけられ信じることにした。そうして待ち合わせ場所に来たのが海斗でなく警官だった…というのも憎い。頼れる唯一の存在にも見放され、もはやこれまで…というところにさっそうと現れる海斗!そうなるとはわかっていても、わかっていてもやっぱりジーンとこみ上げてきますなあ。ドライなようでいてずっと海斗を気にかけていた圭と、幼いころの友情をずっと保ち続けていた海斗…。

シドニアの騎士」のポリゴン・ピクチュアズ、スタッフも「シドニアの騎士・第九惑星戦役」とほぼ一緒ということで、人物の演技に若干の違和感は覚えるものの、映像とその構図に音響は迫力満点。逃亡劇とその攻守がどう入れ替わるか、予想されるスリルな展開に期待したい。