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アニメられる日々

アニメ感想ツイート保管庫(暫定

GATE 自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 14話

帝都を襲った地震は収まったが、じきに揺り戻しが来るだろうと伊丹。帝都の父…皇帝にそのことを伝えたいピニャは、伊丹に一緒について来て欲しいと懇願する。伊丹一行は仕方なくピニャの案内で敵地に赴くこととなり、皇帝に謁見する伊丹たち。そこにピニャの兄・第一皇子ゾルザルが駆けつけ、「紀子」が言うには地震の揺り戻しが来るので逃げましょうと皇帝に進言。ゾルザルによって「銀座事件」で拉致された女性・紀子が奴隷として捕らえられている事実を知らしめられると、怒った伊丹がゾルザルに殴りかかる。

 

皆が地震に怯える中で、悠然と構える伊丹たちの姿を、ピニャ視点で印象づける演出といい、異世界の空を駆け抜ける戦闘機の爆音といい、ゾルザルとの一悶着で行使される銃火器や銃剣や格闘術などの容赦無い攻撃といい、ゾクゾクと鳥肌が立つほどスカッとする痛快な映像演出の数々。魅力を余すことなく伝える展開・構図にSEと見事な手際。伊丹たちにとっては最高のプロモーションを演出したと言っていいでしょう。自衛隊がそれを行っているというなんとも言えない微妙な気持ちもあるにはあるんだけども、痛快さのほうが勝ってしまう。

それは、不測の事態に感情を絡ませながらも、ベストな行動に瞬時に移れる伊丹たちに説得力を上手く付与できているからだと考える。ここに、「自衛隊を美化してはいけない」という逡巡があったら、痛快さも説得力も即時に失われてしまうだろう。たとえば相手が核を保有するような大国であったのなら、奴隷を前にしてああいった行動をとってしまうと違和感は拭えないけども、相手が中世ヨーロッパレベルの軍事力でこちらが主導権を握っている状態で、奴隷を前にしてなお外交問題に配慮して伊丹らが行動をためらっていたら、それこそ違和感を覚えるものになっていただろう。そういう意味では、現実世界にあって常に配慮を求められる自衛隊が、思いっきり活躍できるステージを用意しようと思ったときに、異世界のしかも軍事レベルの低い国を用意するあたりは皮肉な結果といえる。しかし同レベルの相手を用意した場合、外交問題や歴史的背景が邪魔をして痛快な作品にはきっとならなかっただろう。自衛隊が活躍する作品を描くにあたって、八方美人的にならず痛快さを求めて突破を図る勇気は評価したいし、実際痛快で大いに楽しませてもらった。

自衛隊の武力の結果を目の当たりにしても、うろたえるどころか警告さえしてしまう不敵に沈着な皇帝の、政治的経験からくる自信の描写も上手い。自衛隊のいいようにさせない皇帝の底の知れない不穏さが程よく緊張感を付与できている。愚息を演じるゾルザルといい、アルヌス方面ではテュカの精神状態がいよいよ心配になってきて、今後も波乱に満ちた展開となりそう。前期での東京観光のような、楽しいイベントもあるといいのだけど。