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機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ 17話

ギャラルホルンの武力介入により、労働組合のデモ隊も過激化、モビルスーツや艦艇を持ち出し攻勢に打って出るが、デモ隊の武装はすべて細工が施されており、戦場でまったく機能しない有様。そこをギャラルホルンが一方的に攻める。その頃、宇宙港が封鎖され身動きの取れないオルガたちも、デモ隊が虐殺される様子を見ており、たまらなくなったシノとユージンが加勢しようと息巻くが、クーデリアを地球に届けるために今は無茶できないと静止するオルガ。しかしクーデリアは選択する。フミタンが命を賭して気づかせてくれた原点、虐げられる人々の希望の女神として立ち上がることを。

 

フミタンを失ったクーデリアの悲しみを、ありありと描かないことがかえって胸を打つエピソード。元々覚悟は出来ていたはずだった。それでもやはりここぞという時に、なりふり構わずフミタンを追う弱い自分がいた。フミタンを失って、悲しいはずだけども、彼女が気づかせてくれた自身の原点、虐げられる人々の希望の女神となること、そのために立ち止まらず、今すべきことをすることが自身のフミタンへの手向けでもある。フミタンにあげたものと自身のもの、ふたつのペアネックレスをぐっと握りしめるクーデリアの様子だけで、語られずともこれくらいの想像は喚起してくれる。TVジャーナリストを利用し、ここからどう反撃の狼煙を上げるか。期待感を煽る締めくくり。

ギャラルホルン本隊の大艦隊にセブンスターズのガエリオと、復讐に燃える部下アイン。圧倒的な戦力が待ち受ける戦火の中に飛び込んでいく鉄華団。ガンダムシリーズならではの混戦感が本作にあっては貴重で、それを遠目に様子をうかがう仮面ギリスと、これから終盤に向けてめまぐるしく事態が動いていきそう。

今回嬉しかったのは、リアリスティックなだけで終わらせない希望的な嘘が随所に見られたこと。どう考えたて無事には済まない状況の中を、フミタンは惜しいけどもともかく皆が無事に帰還し、絶対不利な状況を打破するカードをクーデリアが切ろうとしていること。現実を現実的に描くことで、無常感や無力感を再確認したり、問題意識を喚起する作品があってもいいのだけども、夕方5時台の子どもたちに向けた物語に向けた物語に期待するのは、やはり希望ある結末。前回フミタンの悲劇におもいっきり凹まされた身としては、希望のある展開が嬉しかった。