アニメられる日々

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この素晴らしい世界に祝福を! 総感

ひきこもりニートの主人公・カズマが、トラックに轢かれそうになってる少女を救おうとして、気がついたら異空間に居た。少女の身代わりになって死んだのだと思ったら、女神アクアに事の顛末を知らされて、あまりにもお粗末で不憫なのだけど、もうこの時点で可笑しく、開始早々ぐっと心をわしづかみにされた。女神アクアの高慢な態度にだんだん腹の立ってきたカズマが、異世界への冒険のお供にアクアを指名して道連れにするという件にもスカッとした。ただ、ここまではさほど新味は感じられない。本作の個性が光るのは、この直後からだった。

天界(?)では高慢に振る舞ったアクアが、見知らぬ異世界に道連れに連れてこられて、その不安を隠さずカズマを頼るのがなんとも人間臭くて、可愛い所あるじゃないのと親しみが湧いた。アクアが天界にいた頃と変わらず高慢ちきなままだったら、印象はまるで違ったかもしれない。ヒキニート(失礼)とはいえ異世界には造詣の深いカズマが、女神アクアをリードしていくという関係が、実際のお互いの能力とは真逆で、互いに補い合うことでバランスが取れるようになっている。そこからくる諸々の関係性がすごく賑やかで微笑ましかった。

一発で自身のMPを0にする「エクスプロージョン」にこだわる中二病で爆裂魔法フェチ・めぐみんと、強靭強固な守備力を誇りつつ攻撃が全く当たらないドM騎士・ダクネス…。一点豪華でもそれを無に帰してしまうほどの欠点を抱えたふたりを味方にしたパーティは、性格の悪いカズマ父ちゃんに浪費癖ありおバカなアクア母ちゃん、元気いっぱいでも手のかかる娘二人といった趣で微笑ましく、一家の巻き起こすドタバタは単純明快、まっすぐにキャラと属性に向き合ったネタの数々に大いに楽しませてもらった。

キャラデザ・菊田幸一さんの特徴か、トリッキーな表情表現や、着衣に縛られず自由を謳歌するたわわの描き方が素晴らしくて、そっちでも楽しませてもらった。1話当初からサービスがさり気なく盛り込まれてたので、それで満足してたものだから、9話でのサキュバス淫夢回にはたまげた。この回はスケベ心を全く隠さず正面から描いてきたわけだけども、それでも欲情させること以上に笑わせることに軸足を置いて節度を保ってくれたのも嬉しい。その節度があったから、4人はまた「日常」に復帰できたのだから。

ちなみにこの9話と4話のデュラハン登場回の絵コンテ・亜嵐墨石氏は「聖剣使いの禁呪詠唱」の稲垣隆行氏の別名義なので、「聖剣使いの禁呪詠唱」をネタとして消費する層にはぜひ観てもらって、ああ、ここまで出来る方なんだな、と思ってもらえたら嬉しい。その時は聖剣ネタとこのすば話を肴に美味い酒でも飲みましょう。

終わってしまってちょっぴり寂しいけども、早々に2期が決定してくれて嬉しい。単話完結形式の取れるコメディの強みであの手この手で話がどんどん膨らむ可能性を秘めてるので、2期と言わず3期4期と続いていってほしい。