2016年春アニメ私感
2016年春はコンレボにキズナイーバー・迷家などずっしり重量感のあるストーリー作品が盛り上がる一方で、たなけだやあんハピにふらいんぐうぃっちなど、まったりとした作品やコメディも多くて、バラエティ豊かで良作の多いシーズンでした。
ワタクシゴトですがずーっと各話感想が書けない状態でして、それでも今後のためにtwitterでつぶやいたものを以下にまとめておきました。完全に個人的な備忘録ですがあっそんな作品もあったねと振り返ってもらえたらうれしいです。
※気に入った作品がおおむね上位に来てますが、順序に特に意味はありません。
1 コンクリート・レボルティオ
1期よりもより混沌とした2期シリーズ、何が正しいのか観てるこっちもめまいを覚えるほどだったが、終わってみればなるほど今我々も混沌の中にいるのだな、と思える視聴後感。
コンクリート・レボルティオ最終話 様々な正義と相対的に悪とされる正義とがせめぎ合って来た本作 最後に絶対的な悪としてニヒリズム・シニシズムを提示しそれを理想主義が倒す「このどうしようもない世界で僕に何が出来んだ?って追い求める者だけが未来になれる」に鮮やかに着地した #10選候補
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月23日
コンレボのメッセージの柱は「何が正しいのか考えて悩んで誰に何と言われようと歩みを止めず前に進むんだよ」ってことなんだろうけどあらゆる正義やあらゆる立場が目まぐるしくせめぎ合いその中でそれとは別の様々な示唆を与えてくるからそこに着地するのかハラハラした どれもまた輝いてみえた
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月23日
コンレボは「様々な正義がありますがどれが正しいということはありません自分で考えてね」って終わることもできたんだけど「様々な正義がありますが僕はこういう奴はクソだと思うんで倒します」で締めくくるのすんごく気持ちよかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月23日
2 キズナイーバー
キズナシステムによって交わらないはずの関係が否応なしに交わっていくそのスピード感が良くって、OP映像同様のめまいを覚える緊張感がたまらない作品。多少の犠牲は覚悟していたが、ハッピーなエンドに着地させたのは作り手の良心だと思って納得することにした。
キズナイーバー総感 絆を深めるためには相手の領域に踏み込まなければならない 痛みを伴ったり争いを招いたりするけどもそれを経なければ絆は深まらない というメッセージを伝えるのにキズナシステムはユニークで かつ性質上想定される誤読も上手く回避できるよう導いてくれた #年度10選候補
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月26日
キズナイーバーは絆の深め方と傷との向き合い方を描いた時点で達してるんだよな それを面白く見せるためにキズナシステムがあったわけだけどシステムの強制性が関係の「縁」に作為を感じさせる懸念はあった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月27日
キズナイーバーも迷家もリアリティあふれる関係性を描くのが目的ではなくて(そうなるよう努めてはいたけども)物語を通じて視聴者を啓発するような作品だったから期待が外れた方も多いはず そもそも心身の痛みが物理的に通い合ったりトラウマが村にへばりついたりするわけがないんでどうかひとつ
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月27日
3 迷家
コメディを基調としたミステリー・ホラー作品で、人生に挫折した人々の必死さを茶化さずに向き合いつつ可笑しみも引き出していく手加減・コントロールが抜群に良かった。三谷幸喜さんのTVドラマのような、個性的な大勢が好き勝手やってシッチャカメッチャカになる、そんな雰囲気が最高に楽しかった。
迷家総感 ドタバタコメディなノリでスタートしそれを維持したままミステリー・オカルトと変容し個々のトラウマとその向き合い方という本題を描くと先の見えない構成が楽しくまた身につまされる個々のドラマとそこに含まれるメッセージに救われた 自分の中にしか答えはないよという厳しさも親切で好感
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月26日
迷家10話でPTSDとその治療の話が出てきてやはり作り手はそれを強く意識してるんだなと改めて 辛い過去を忘れてしまおうとするでなく見つめなおすことで整理つけたり慣れさせたりして克服しようというのキズナイーバーもそうだったね アルドノアの鞠戸大尉が受けた治療と本質的に同じ
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月12日
スパイを扱った作品らしくぱっと見派手さはないものの、しっかりエンターテインメント的に映える画作り・ドラマチックな展開をしてくれてとても楽しかった。何を描いて何を省くか・取捨選択が上手くて無駄がないのに充実した内容。
ジョーカー・ゲーム総感 ショートエピソードで構成される本作で序盤にD機関を説明するエピソード・間にスパイの生き様・締めにスパイの潮時をもってくる見事な構成 人物それぞれに焦点を当てながらスパイの本質を浮かび上がらせつつそれが靄のようにスパイの個性を覆うスパイそのものを描いた傑作
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月25日
日々の疲れを癒やしてくれた作品。日常の中に魔法があるという感覚にもっともリアルに迫った作品で、だからこそその世界がとてもファンタスティックに映った。
ところで、5話冒頭の朝食の時に出た謎おかずが依然謎のままなんですが…
ふらいんぐうぃっち総感 魔法が発動する瞬間からあえて目をそらしたり観るものをびっくりさせるような位置で待ち構えたりしつつどう感じるかは観るものに委ねる気の利いたカメラワークが良くって通常なら観ることの出来ない魔法の同居する世界を特等席で鑑賞した気分 2期3期と続いて欲しいナ
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年7月9日
ふらいんぐうぃっち5話の謎料理について調べると「いがめんち」と出てくるんだけど多分それは昼めしにうどんと一緒に出てきたやつで冒頭の朝めしんときのとは違うと思うんだけどどうなの 朝めしのときに出てきたやつなんなの #しつこい pic.twitter.com/dsSLVN3dF9
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月18日
6 ばくおん!!
これ言ったらまずいのでは…という恐る恐る感がなくバン!とアクセルを踏んでくるのでネタの破壊力が凄い。さすがにノークレームとはいかなかったものの、それでも嫌味なくコントロールできたのは評価したい。
ばくおん!!総感 西村純二監督のインタビューにあるように本当に好きでどっぷり浸かってる世界だからこそ忌憚なく語ろうとファンの器を信じた思い切った踏み込みが刺激的で楽しく 好き!という熱気をyouthfulに表現した映像演出も含めて激熱で最高でした
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月26日
7 少年メイド
誰が観ても楽しめるようなとっつくやすさがありがたく、OP映像の洗剤CM感が本編でもそのまま生かされてて、これは衣服の描き方によるものかな、と思ったり。ハスハスしたい。
少年メイド総感 両親を無くした少年が叔父の家の世話になることになりメイドとして日々奮闘するコメディで女性向けっぽいパッケージだけど性の別を意識すること無く楽しめるような演出が有り難く 洗剤のCMのようなOPと洗いたての衣服のような本編の雰囲気が心地の良い作品だった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年7月3日
太田くんもいつもけだるげ。だからこそ確固たるものになった作品の空気。良さ。
田中くんはいつもけだるげ総感 シックでおしゃれで清潔感あってそれでいて気さくな雰囲気が心地いいカフェのような…カフェチェーンで例えるとドトールのような作品 超気だるげな田中くんと賑やかで個性的なキャラとの間に普通にけだるげな太田くんが本作の柱として素晴らしい仕事をしてくれた
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年7月2日
9 あんハピ!
多彩で賑やかで楽しい画作りが魅力。過酷な運命を笑いに転化するにあたっての気配りも良かった。
あんハピ!総感 不幸体質の子たちが幸福になるための学園生活を描いたコメディらしく映像に劇伴に『落第騎士の英雄譚』に通ずる凄味で不幸体質というシリアスな境遇を背景に染み込ませながらハッピーに日々を過ごしていく彼女たちを賑やかに楽しく描いていった 牡丹ちゃんが愛おしくて最高でした
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年7月2日
10 とんかつDJアゲ太郎
DJ・クラブミュージック文化をとんかつで茶化すのかと思ったらどちらにも最大限の敬意を払っていて、その誠実さに強く心打たれた、清く尊い作品。
とんかつDJアゲ太郎最終話 師匠・オイリーさんのライブ当日に豪雪というアクシデントもなんとか駆けつける仲間たち 皆の冷えた心身を温めるべく豚汁を振る舞うアゲ太郎はとんかつに添えられたキャベツのよう 主役が脇に控えることでアゲるという主題を浮かび上がらせる締めくくりが素晴らしい
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月30日
11 宇宙パトロールルル子
ショートアニメながら強烈なインパクトと厚みを感じさせるストーリーに。バババーッとダイナミックなアニメーションが最高。
宇宙パトロールルル子総感 ルル子に社名を背負わせる件が熱い 物語やキャラにその世界を作っている人たちの熱がこもっていて観るものにお祭りに参加してる気分を味わわせてくれる 中学生マインドを持った作り手の熱量に胸が熱くなった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月25日
12 僕のヒーローアカデミア
確実に面白い作品を、丁寧に作ってくれて申し分のない出来。
僕のヒーローアカデミア総感 能力「個性」を持つのが普通な世界で無個性な少年が最強のヒーロー・オールマイトから能力を授かるが体がついていかずに持て余すという状況が物語に起伏をもたらしていて楽しかった ヒーローとして限界の近いオールマイトのバトンを出久がしっかり受け継ぐ日が楽しみ
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月26日
13 坂本ですが?
これネタ続くのか…!?と思ったが…
坂本ですが?総感 何をやっても様になる主人公が振りかかる災難や問題をクールに乗り越える出落ち感の強いコメディを手を変え品を変えで完走してみせたのは凄い 皆が坂本くんの引き立て役になるのでなく坂本くんが皆をポジティブに導いていく様子が清々しい作品でした
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年7月3日
ハーレムモノのようで一組の男女の恋を応援する友人たち、という構図になっていてそれが凄く爽やかで心地よかった。
ネトゲ嫁最終話 現実の人格を投影したゲームの攻防でも身を挺した戦いかたの合理的選択とそのリアクションに課金アイテムの捉え方などゲームらしい感情の動きをきっちり描いてゲームを楽しんでる様子が微笑ましかった いい締めくくりでした
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月24日
15 うしおととら
間違いなく面白い内容で、画作りも最後まで頑張ってくれたけども、2期は力み過ぎというか息継ぎできる箇所があまりなくて息苦しく感じた。
うしおととら総感 連載時はロックだと思ったし改めてアニメでおさらいして序盤は確かにロックだと思ったんだけど話が進むに連れて浪花節が濃くなり最終的にはド演歌になった いや面白かったんだけどもボリュームがものすごくてもうお腹パンパンって感じ
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月29日
16 学戦都市アスタリスク2nd season
悪くはないけどもこれから…というところで終わってしまったので評価の難しいところ。続編に期待。
学戦都市アスタリスク2期総感 バトルトーナメントが中心で強いフックがあったわけではないけども丁寧に作られていて楽しかった 近未来の学園都市らしい雰囲気のOP・EDがお気に入り 今後の展開を考慮した締めくくりでそっちのがより面白そうなので次期もぜひ
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月19日
17 三者三葉
引っかかるやり取りが多々あったのが残念。可愛らしいキャラと色使いが最高でした。
三者三葉総感 時折見られるギスギスっとしたやり取りに戸惑うこともあったけどでもやっぱり可愛い表情仕草が好きなんだなあ 終わってしまうとものすごく寂しい 葉子様の下唇をふっくらに描くのが最高 キャラの動かし方・演技づけも凄く良かった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月28日
18 くまみこ
別の意味で話題になった問題作。画作りは凄く良いんだけど…。
くまみこ12話最終回 よしおがまちを村おこしに参加させることにこだわる理由に「生贄」は流石にまずい この不穏なワードがなければまだましにはなったけどもアニメオリジナルのドラマチックな展開の後に原作の「何も考えなくていいよ」に戻ってきてしまったのもいただけなかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年6月21日
19 ハイスクール・フリート
はいふり!改めハイスクール・フリートです!というサプライズ演出が仇となって、開幕から思いっきり嫌われてしまったこちらも問題作。エピソード自体は序盤は良いものの、徐々にぼやけていってピリッとしたところがなかったのが残念。
ハイスクール・フリート総感 序盤は追われる身となる晴風と追ってくる敵艦の得体の知れなさがスリリングだったけども早々に事情がわかってしまうと艦隊戦の緊張感が薄れて視座を見失ってしまった そつがないようで突き抜けたとこもないという てやんでい!の子が一番個性的で好きだったな
— やまぬこ (@yamanuko_) 2016年7月3日
以上です。