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アニメられる日々

アニメ感想ツイート保管庫(暫定

話数単位で選ぶ2016年TVアニメ10選

この素晴らしい世界に祝福を! 9話

お色気という言葉が生易しく感じるほど扇情的なエロを描きつつ、コメディ作品の体裁を守ってちゃんと笑えるようにも構成された、どの方面にも妥協のないパワーみなぎるエピソード。作画が素晴らしかったのはもちろん、掛け合いや状況をどの構図からどのテンポでどう展開していくことでどう可笑しみを生み出すか、というユーモアに帰結するコメディ作品としての軸足を守った設計が素晴らしかった。

 

Re:ゼロから始める異世界生活 20話

白鯨討伐において、白鯨を妻の仇とするヴィル爺の、若き日の回想を交えたエピソード。「剣聖」と謳われた若き日のテレシアに恋をしたヴィルヘルム青年が、彼女と対等になるために剣技を磨くべく精進した日々の様子から、彼がなぜスバルの身の程をいち早く看破できたのか、そのうえでなぜスバルを応援してこれたのかが納得できる構造となっている。「剣鬼」と言わしめるまで高みに登れた男の、不器用で一途な愛の物語は、スバルへのエールのようでもあった。作り手の熱気が過熱してクドくなりがちな本作の中で、最も良い塩梅のエピソード。

 

灰と幻想のグリムガル 5話

リーダーのマナトを失い、パーティとしてのまとまりを欠いたまま新メンバーを迎えたことで余計に関係がギクシャクする。物語のように簡単に腹を割って話すことのできない、人と人の垣根の描き方がリアリスティックであったし、ハルヒロとユメがその垣根を超える瞬間に感動があった。死が隣り合わせの世界で、仲間の死の悲しみを慰め合う二人の艶めかしさが生と性を直結させる。現代人が感覚だけ保ったまま異世界に飛ばされサバイバル生活を余儀なくされることで、現代人が忘れかけていた感覚を再認識させよう、そんなねらいが見えたエピソードでもあった。

 

フリップフラッパーズ 6話

ココナとパピカの過去話のように構成されていて、それだけでもハラハラさせられるのだけど、実は…という驚きがあって、めでたく終わった後に、いや…でもココナとパピカの過去話でもあったんじゃないか…?と疑心暗鬼にもなる、観る者の認識を揺さぶるエピソード。ここに至って、この先何を見せられても覆されてしまうんじゃないかと全く油断できなくなったことが、以降のネタばらしにおいても程よい緊張感をもたらしてくれた。

 

響け!ユーフォニアム2 5話

全国に行けるかどうかというコンクールの、緊張感の演出が見事。希美をめぐる問題が一段落したタイミングも絶妙で、いよいよコンクールというときに本番で実力を出しきれるか・または評価されるか以外に不安要素がないぶん、かえって緊張感が増す構造。また、演奏に尺を割いたのが効果的で、舞台袖でうずくまって祈る葉月とおそらく同様の、どうか無事終わってほしいという心境となって、終始落涙させられた。

振り返ってみれば、北宇治高校の吹奏楽部にとってはここが最終にして最大の課題。「全国に行く」という目標を達成すれば、後はご褒美のようなもの。演奏シーンに力を入れたのも頷けた。個々のモチベーションはそこにとどまらないのだけども、それはまた別の話。

  

3月のライオン 9話

棋士歴40年の松永さんが、零との対決をもって引退を考えてると香子に揺さぶりをかけられる零だったが、松永さんの慌てっぷりとそれでも挽回しようと健気にもあの手この手を繰り出す様子に、見てるこっちがシリアスな気分が吹き飛んでほっこりしたし、負けてふてくされる様子や居直って奢らせた挙句、郷土自慢で管を巻く。年季を感じさせない松永さんの、それでもどこか愛らしく思える源流が、松永さんの将棋に対する並々ならぬ想い入れにあった。棋士生活の最後になるかもしれない相手が有能な少年で、かつ自身の将棋人生とその想いを聞いてくれたとあっては、もう少し続けてもみようかな、と思うかも知れなかった、そんなほっこりあたたかいエピソード。

映画でなく漫画の動画化を意識してるフシのあるシャフト独特の、文字通りのコミカルな演出がぴったりフィットした目にも楽しいエピソードでもあった。

 

昭和元禄落語心中 1話

各話どれも素晴らしくて悩んだけども、全て観終えると改めてここが着地点だとわかる1話が抜きん出ている。チンピラ・与太郎を拾ったくせになんだかんだと面倒くさい八雲と同居してるにも関わらず険悪な小夏…それぞれの深く複雑な関係のいわれを紐解くと、長い長い昔話になるのだった…「縁」の妙を描いた本作の、今シーズンでの始まりと終わりの役目を担い存在感を示した。

 

キズナイーバー 7話 

クラスメイトと共同で連載漫画を描いていたこと、関係の認識の不一致で決別したまま死別したこと…それらを心の傷として持つためにもう友達は作らないという牧穂乃香に、キズナシステムだけのつながりにとどまる仲間達が改めて友達になることで痛みを分かち合おうというエピソード。「忘れてしまいたい過去は絶対に忘れてはいけない過去なんです」PTSDの治療に酷似した方法論が見て取れた他、牧を救おうと奔走した仲間たちと亡き友との時を越えた和解が素晴らしかった。

 

無彩限のファントム・ワールド 1話

4話と悩んだが、やはり舞の詠唱シーンや電柱ファントムとのリンボー対決など、インパクトでこちらが勝る。京アニにおいては稀有なエッチさと、着衣の生地の感触まで伝わってきそうな身体の柔らかい質感の表現が素晴らしく、強烈なインパクトを受けた。

 

 装神少女まとい 11話

11年前、世界を崩壊から救うべく頂次元へ向かったまま消息不明となった母と同様に、再び起こった世界の崩壊の危機を救うために頂次元に行けるのはまといだけ。妻を失った悲しみを未だ引きずっていて、かつまといには絶対にそうなってほしくないと思っているからまといが退魔少女であることも知った上で自分をごまかしてきた伸吾…という描写の積み重ねと、長いこと別居していたためにどこか余所余所しい父娘の微妙な距離感を積み重ね描いたのが効いて、嫌だ別れたくないと泣いてすがりつきたいくらいなのに、父娘ともにとうとう別れのその日その時まで普段通りのお出かけを装い、平静を装って別れる。別れた直後に様々な思いがこみ上げて泣き崩れる伸吾に、観てるこちらも共感を覚えた。伸吾のリアリスティックな父親像が強烈に印象に残ったエピソード。 

 

 以上です。

本年度は「このすば」や「昭和元禄落語心中」「響け!ユーフォニアム2」に「フリップフラッパーズ」と、どの話数も素晴らしいという作品が多い一方で、「迷家」「クロムクロ」「コンクリート・レボルティオ」「オカルティック・ナイン」「亜人」など、話数単位で切り取るのが難しい作品も多く、選考に四苦八苦しました。

あと、今後もブログよりTwitterのつぶやきが中心になりそうなので、「10選候補」タグをまめに活用せねば、とも思いました。(つけてるつもりだったけど意外と怠けてた)