2017年夏アニメ私感
メイドインアビス総感 地底を未知の世界に冒険を描いた作品だけど危険を冒すと書いて「冒険」と読むその本質を鋭く突いた傑作 能力はずば抜けてても慎重で臆病なレグとリスクを恐れずずんずん前へ進むリコとのバランスが凄く良くまた未熟な子どもであることが冒険を冒険たらしめてて何もかもが上手い
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月1日
かわいらしいキャラデザであるのに…というよりだからこそより胸に迫るものがありました。子どもが危険な世界に足を踏み入れる、危険を冒すという意味での「冒険」の本質がそれによってくっきり浮かび上がりました。
メイドインアビス13話(終) あまりにも理不尽な、あまりにも過酷で残酷な「呪い」を背負わされたミーティとナナチの経緯とその「呪い」を解く過程、悲しみを乗り越えて再び前に進もうという話数内の出来事一つ一つが悲しみに満ちていてずっと泣いてた #10選候補
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月1日
メイドインアビス最終話また観たけどめっちゃ泣けるダメだ リコを救うために動植物を犠牲にしたナナチの医療行為はボンドルドの子どもたちに対するそれに等しいかも知れなくて…被害に対して加害の方への意識は薄れがちというのもよく見抜いてる
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月1日
『ある生命を救うために犠牲になる生命』とだけ書くと、それがボンドルドと子どもたちを指すのか、リコと深界の動植物たちを指すのかわからなくなりますね。ナナチの作る(とても食べられたものではない)食事とリコの作った食事との違いもまた、成れ果てのまま放置された子どもたちとミーティを連想させます。
冒険をするということ、人生を全うするということ、そのために避けられない殺生、それが因果として我が身にも…と、冒険と人生・生と死・食うや食われるやといった諸々を、むせ返るような濃度で描きました。原作がある作品ではありますが、アニメ史にも残る傑作と言っていいでしょう。
プリンセス・プリンシパル総感 スチームパンク・スパイ・少女たちという要素の多さをすべて活用しきったとは言い切れないにしてもスパイものとして、または友情のドラマとして大満足の内容 ワンクール内で話数をばらばらに並べるけど実は2クール以上あるし一応オチもつけるよという変態構成に平伏
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月27日
プリンセス・プリンシパルの時系列バラバラの良さは観てるわしらとは時間軸が違うと認識できることで同じ時間上にきっと彼女たちは居ないんだよな われわれは後になって見聞きして知ったに過ぎないと その時と場所の遠さが様々な感慨をもたらしてくれる
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月3日
プリンセス・プリンシパルの話数ばらばらはこの物語が視聴者の生きる今という時間ではない「過去のお話」であり我々はスパイに身を投じた少女たちの記録を振り返ってるに過ぎないと感じさせる効果がある よって彼女達は命運はすでに決しているとも解釈できるので緊張感が半端なかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月27日
時系列バラバラ構成は当たりでしたね。この先どうなるのかとハラハラドキドキしました。
プリンセス・プリンシパルで一番好きなのはちせだな 彼女はプリンシパルの相関図で唯一誰ともつながりを持たない子で立場的にも我関せずで逃げることも容易なのに義理と人情で命を張れるという この「義理と人情」を美しいと思ったのいつ以来だろう
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月27日
ちせの「強さ」は鉄柱のように剛健で、小さな身体とのギャップに鳥肌が立ちます。超好き。
サクラクエスト総感 地方の諸問題を扱ったドラマであるけども地方対都会という単純な図式でなく地方から見た都会・都会から見た地方・地方から見た地方に都会から見た都会と様々な視点があってその中心をバランスよく駆け抜けた 娯楽として地味なのは否めないけど諸問題に対する誠実さに惹かれた
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月22日
サクラクエストは地方を扱った作品だけど地方だけを扱った作品ではなくて地方から見た地方・地方から見た都会・都会から見た都会・都会から見た地方と様々な視点が盛り込まれている 観る者がどこから来てどこに立っているかの違いで感想もまた違ってくるのだろうと
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年8月5日
エリカが後に念願の東京生活が出来て充実した日々を過ごしそこを終の棲家としたとしてもサクラクエストという作品は彼女を責めたりしないと思うんだよな 真希やしおりや凛々子その他諸々夢や目標は違っても等しく応援するように間野山の住人のそれぞれの選択は等しく価値があるはずだ
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年8月26日
間野山が嫌で嫌でっていう気持ちをずっと燻らせたまま上京する準備が整ったら上京してそこで暮らしたっていいんだよ そういう生き方を選択する可能性を否定しなかったのはほんと素晴らしいと思うよ そのうえで無理なものは無理なので今は我慢してよと サクラクエストのそういう責任感が凄く好き
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月3日
P.A.WORKSならではの地方との距離のとり方が、地方と都市部との様々な関わりを広く描くことに繋がったと思います。キャラも皆個性豊かで魅力的でした。キャラのファッションにもこだわっていて皆清潔感あってお洒落でしたね。
あと今更気づいたんだけど由乃んがピンク髪なのは彼女がサクラをイメージしてるからなんだな 地方に小さな春の訪れを告げるソメイヨシノで木春由乃とか 勇者というより座敷わらしみたいな
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月22日
神撃のバハムートVIRGIN SOUL総感 神も悪魔も恐れぬ冷徹な人間の王の暴政のなかで竜族の子ニーナがその暴君に恋をするという物語は共通の敵を倒し各々が代償を背負うことで各々の勢力が互いの罪をとりあえず不問にして復興に取り組むという締めが凄く良かった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月30日
洋画のようなスケールの画に、洋画のように奥行きがありながらスッキリとまとまった世界観やストーリーが素晴らしく、そういう世界に盛り込まれたわが国のお笑い要素もまた楽しかったです。
賭ケグルイ総感 第一印象が扇情的でウッと引いたけど人生を賭けたギャンブルにのめり込む狂気を演出する手段としてのエロスなので気を散らされることなくドラマに没頭できた いけ好かない強者をダークヒロインが倒していく蠱惑的な快感 その回の憂さをその回で晴らしてくれる親切構成も有難かった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月25日
思いっきりアクセルを踏んでるようでいて、不快にならないよう各話の構成であったり演出であったりとバランスがとても良く、視聴後感が良かったです。
サクラダリセット総感 年頃の子たちらしからぬ洗練された台詞回しは序盤こそ戸惑ったものの能力を活かして悩める人々を救いたいという子たちと能力が無いのが本来の世のあり方だからなくしたいという組織との対立を咲良田という町のようにスマートな雰囲気で覆ってそれがなんとも爽やかで心地よかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月16日
目まぐるしく変化する時間や状況のなかで溢れる言葉の数々が耳に心地いい作品でした。絵や色使い、人々の言葉遣いなど上品で清潔感があって好きです。
NEW GAME!!総感 1期はゲーム業界あるあるだったけど今期はゲーム業界の中で各々の成長を描くとドラマの要素が強くてその分業界のブラックな要素が身につまされるといった事もなく没頭できた そうなると各々の正直な気持ちの応酬が見どころとして立ち上がってきて落涙させられることも多々
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月28日
各々の忌憚のない意見や感情の発露・ぶつけ合いによるドラマが見応えがあり、キャラの魅力も増しました。
異世界食堂総感 毎度テーマの料理があってその料理と縁のあるゲストによる1話完結型 本作はゲストでなくあくまで料理がメインで料理とゲストとの縁が語られたらそこでお終いとまだドラマ自体は続いてても話を締めてしまうのがユニークでまるでねこやの常連から話を又聞きしてるような臨場感があった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月24日
本作はエピソード毎の締めるタイミングがユニークでしたね。美味しいものを食べた後の余韻と似た感覚を覚えました。
徒然チルドレン総感 金子監督の経歴と本作の内容ならもっと刺激的にもできたんだろうけど初々しい恋の物語あれこれに寄り添った節度ある演出がかえって緊張感をもたらした 実戦空手の達人の演舞のような仕事
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月20日
懐かしくも新鮮なタッチのキャラデザや色使いが好きです。
ナイツ&マジック総感 序盤から駆け足気味ではあったけど中盤以降は詰め込みすぎの急ぎすぎで感情を揺さぶるはずの出来事が次々と通り過ぎていってしまったのは惜しい ともあれ停滞した業態にイノベーションをもたらす面白みは十分に堪能できたし画も魅力的で楽しかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月27日
ナイツ&マジック6話は銀凰騎士団の最新鋭機登場シーンが凄く爽快で4~5回は巻き戻し観ちゃった エルらの取り組みを横取りしてなされたラボの新型機をカッコよくお披露目した後なのでそれを凌駕する大胆なデザインのロボ群とそれらの運用方法とその機動性・瞬発力に驚かされた
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年8月13日
2クールくらいかけてじっくり楽しみたかったですね。
THE REFLECTION総感 ざっくりとしたタッチの画と動きにスローなテンポの展開ではあったけども人々が闇に立ち向かう様子をじっくり加熱して重厚な雰囲気に仕上がった 人々の本来持っている善性と悪性を可視化・増幅したものがREFLECTEDなんだな
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月11日
アメコミ・ヒーローの「重み」がカッコよかったです。ナインスワンダーのライトなノリももう少し活かすゆとりがほしいところでした。
レクリエイターズ総感 タイトル通り本作は創作者とキャラクターとの対話でありこういう世界でこんな目にあってるキャラはどんな気持ちなんだろうという誰もが一度は考えたであろう疑問を形にした作品だった 人が神を思うそれに等しく共感も容易だろうと思ったらそうでもなかったという戸惑いも多々
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月17日
ともあれレクリエイターズはやはり画や劇伴が凄くドラマチックで明文化された物語とは違った物を語ってくるんだよな その魅力だけでも十分に価値のある作品だったいろいろ文句も言ったけど同じくらい褒める所も多い作品でした
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月17日
映像も音楽もカッコよくって、それだけで心揺さぶるのは凄いですね。
バチカン奇跡調査官総感 聖職者を主人公に奇跡の真意を調査するという形式のミステリーで奇跡を信じたくて調査するも単なる事件でした残念ってのがなんともユニーク 敬虔な教徒でありながら聖書で物理攻撃したりと狙ってやってるわけじゃないんだろうけど設定のゆるさがまた味わい深くて楽しかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月1日
画もトリックもあとひと押しあればもっと良くなると思います。
アホガール総感 タイトル通りベッタベタにアホいネタばかりなんだけど楽しげな雰囲気に惹かれて完走に至った ディオメディア作品はアニメ好き!楽しい!って気持ちが感じられて好き
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月20日
第一印象はなんだいくっだらないって感じだったのですが、継続は力なりと申しますか、くだらないことでも自信満々に続けられるとじわじわっと来ますね。演出も工夫が施されてて楽しかったです。
ゲーマーズ!総感 好き会ってる同士の男女複数の集まりが誤解から内輪での不倫を疑い互いに牽制し合うのをドタバタなコメディとしたのは序盤こそ楽しめたけど仲の良い同士ならさっさと解けないとおかしい誤解なので終盤まで引っ張り続けたのはさすがにしんどかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月29日
ストーリーの構成としてはかなり難易度の高いことをやってて、表情・仕草など動きの工夫も含めて力作だと思います。
アクションヒロイン チアフルーツ総感 ヒーローショーを題材にってのはユニークだけど学生たちの取り組みとは思えない本格的で大掛かり過ぎなショーにどこか現実味が感じられず コメディか友情ドラマかどちらかに思い切りが欲しかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月30日
ディオメディア作品らしいちょっぴりおバカなノリは好きです。
ひなろじ総感 赤城監督がコンテ・演出を手掛けた1話・7話はコミカルな演出が際立っていてずば抜けてよかった 他の回も悪くはなかったけどこれ!という押しが弱く感じた ラクロジ観てなくても理解に支障のない作りが親切で好感 OPやアイキャッチなど工夫に新鮮味もあって楽しかった
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月24日
全体的によく出来ていたと思います。ただ1話・7話が凄く良かった分その他の回がちょっと刺激が足りないように感じてしまいました。
ようこそ実力至上主義の教室へ総感 孤島でのサバイバル編からが本題でそれまでは導入部のようなものだから物語はまだ始まったばかりでの締めでこれでは評価が難しいんだけども続きが観たいなとは思った
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月30日
「実力至上主義」を謳っているわりにチームワークを重視するところは大目に見れるくらいには楽しめるのですが、同時期に「賭ケグルイ」という作品が放送してたのがタイミングに恵まれなかった感もあります。
戦姫絶唱シンフォギア AXZ
戦姫絶唱シンフォギアAXZ総感 ついに最後まで見せ場だけで構成しましたで駆け抜けていったけども熱に浮かされてるようでメッセージが素通りしていってしまった 毎回次回への期待をかき立てる締めが良くってホイホイ最後までついてきちゃったけど次期もまた観たくなっちゃうじゃないの
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月7日
それでも、ボルテージの高さで押し切る力は凄いですね。ネタ切れという意見も多々ありましたが、それよりも立ち回りなどのバトルアクション・見せ場にこだわり過ぎのように感じました。ストーリーに厚みが欲しいですね。
18if総感 序盤から画がヘロヘロであったけども話数ごとにカラーが変わるので次はどういう話になるんだろうという興味で最後まで見続けられた 若者だったり世相に蒙を啓く的な態度や価値観がちょっと古いのが気になった 言い方は悪いけどおっさん臭いというか
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年10月3日
エピソード毎に監督を変えて…という試みはユニークでしたが、制作上の都合かクオリティが低くて残念でした。7話と10話は良かったのですが…。
18if・10話は脚本・コンテ・演出・作監・原画などを森本晃司さんが手がけていてさすがに全てに手を加えるってわけには行かなかったようにみえるけどそれでもやっぱ凄い 奇妙な世界でも落ち着きがあって夢世界の主の生き方への敬意を込めたエピソードに画がしっとりと寄り添ってる
— やまぬこ (@yamanuko_) 2017年9月12日
総感
2017年夏は「メイドインアビス」「プリンセス・プリンシパル」の2強といった様相。「神撃のバハムート VIRGIN SOUL」 「NEW GAME!!」などクオリティの高い力作も多数ありましたが、「Re:CREATORS」「サクラクエスト」など好き嫌いが人によってはっきり別れる作品もありました。個人的には「サクラクエスト」は大好きなのでお勧めしたいところです。