アニメられる日々

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ブブキ・ブランキ 総感

巨人「ブランキ」が徘徊する空に浮かぶ島「宝島」で、ブランキと共生しながら慎ましく平和な日々を過ごしていた一希家だったが、娘の薫子が代々受け継がれてきたブランキ「王舞」の「心臓」を持ちだしたために王舞が作動し、島中の「顔無しブランキ」が一斉に呼応し暴走してしまう。「ブブキ使い」であった妻・汀はブランキたちを鎮めるため島に残り、夫と息子の東・娘の薫子を地上に逃がす。それから10年後、成長した東は海外から東京・新宿にやって来たところを「ブブキ警察」に追われていた。ブランキ「炎帝」の心臓・万流礼央子と手足たちの支配する日本で、東はブブキ使いの仲間たちと出会い、道中でブブキやブランキとその歴史、一希家と万流家の因縁を知る。

 

フル3DCGアニメーションでも手描きアニメーションと同じ方法論で演技付けられたキャラクターたちの豊かな表現が魅力的。映像演出もガイナックス的に熱量があって燃える映像に仕上がった。

世界観や設定がファンタジー色が強いのと、説明抜きでドラマが成り立たないのが痛いところで、説明がドラマチックな会話劇を圧迫してしまうこともしばしばあった。また、ここは伏せておいても良いのでは、ここは一人称のほうがドラマチックになっただろうに、という箇所も所々見受けられて、情報の順序立てが上手くいってない印象も受けた。それでも、あれもこれも語りたい、どれもこれも大事なんだと言わんばかりに早口でまくし立てるような熱気と勢いに圧倒されることも多々あって、11話などは思わず落涙してしまったほど。

 万流礼央子の迸る感情表現の描き込みに応えた潘めぐみさんの熱演が素晴らしかった。礼央子の意志を表現したED映像も素晴らしかったし、再終話の本編でそのED曲を採用するセンスもお見事。これはED映像と内容が合致したからこその結果なので、安易に多用されると困るけど。

ハードな世界をほんわかと中和してくれた黄金ちゃんと右手ちゃんに静流、コミカルに回してくれた木乃亜の存在がありがたく、特に木乃亜はお気に入り。なんだかんだでいい人ばかりな万流サイドや他の勢力の面々も魅力的だった。

さて、というわけでひとまず終了したわけだけども、続編があるというのと本作品自体まだ途中といった感じで終わった気がしないのだけども、続編があるということなら大満足の一区切り。今後は東の生き別れの妹・薫子も本格参戦しそうで、またユーモラスに成長してくれたようでこちらも楽しみ。